The ブログ

アイドルマスター・ラブライブ!他社会不適合者向けコンテンツを扱います

CYaRon! 「元気全開Day!Day!」CDドラマを考察

CYaRon!のデビューsingleである「元気全開Day!Day!」を購入しました

のでAqours 2nd single と同様にCDドラマを考察していきたいと思います。

f:id:sasashi:20160604225317j:plain

試聴動画です

www.youtube.com

今回のCDドラマは、「松月を探して」というタイトルでCYaRon!の3人が15分程度のストーリーとなっています。

1.ストーリー展開

ストーリーの流れとしては

A.「世の中お金なんだ!」と千歌が言い出し、ダイヤも同調しお金を稼ぐ方法について言い出そうとする。一瞬全体に誤解が生まれるが、 ダイヤがアイドル活動のため(具体的には次のライブの衣装)の費用だと説明せる。

B.ダイヤがお金を稼ぐように勤務先を手配したので メンバー全員にバイトをするように言い出す

C.「松月」で仕事する3人。「松月」でアルバイトするとは思わなかったと言い出す

曜とルビィに対して千歌が問題あると言う。そして、

「松月」を知らない人向けに紹介後「松月」の今後を 千歌が考え出すと言い出しバイト中なのにバイト先を抜け出す

D.バイト中にみかん畑で「松月」の今後を話し合うと言い出す千歌。 しかしルビィは「松月」にそのようなお菓子があると反論する

E.千歌が3人が冒険するとかいう物語を語り出す。その物語のオチは

「みんな大好き!松月のミカンどら焼き」と締められる。

これからこのような伝説をアルバイトとして作り出すと 千歌は言い出すが2人は否定。その後店を空けていたことに気づき

3人はバイト先に戻ることに。

 

2.キャラクターの立ち位置

千歌:かなり問題児でトラブルメーカーである(アルバイト先を改善するという意識高い系行動のためにアルバイト先を抜け出すという暴挙に出る)

曜:常識人で千歌を窘める場面も

ルビィ:常識人であるが、性格とは裏腹に千歌に当たりが強い場面も

今回は千歌の非常識的な行動が、2nd single 以上に目立ちました。最もラブライブ!のCDドラマ自体が非常識なキャラが多いので このような行動が見られるのはCDドラマ限定の可能性もありますが。また今回ルビィに関しては、千歌に対して「ちゃん」付けで呼んでいたことが印象的でした。 2nd singleのドラマパートでは千歌を「さん」付けで呼んでいたので、時系列的には水族館に学年ごとに分かれて行った後であると思われます。

あるいは姉のダイヤがいないので「ちゃん」付けという可能性も無きにしも非ずですが。

 

3.考察

今回のドラマパート中では本プロジェクトにとって重要なポイント

が見受けられたので考察していきたいと思います。

A.黒澤ダイヤはなぜバイト先を手配できたのか

B.バイト先が全て地元関連である理由

 

 

A.黒澤ダイヤがなぜアルバイト先を手配できたのか

今回3人が「松月」でアルバイトすることが出来たのは、ダイヤが全員分の 勤め先をあらかじめ手配したからです。本篇では特にアルバイトを始める前に面接などが行われたという描写も ありませんので、少なくとも通常のルート(履歴書持っていき面接)でアルバイトを始めていないのは確実です。

今回はCYaRon!のCDなので、ルビィ,千歌,曜の3人が「松月」でアルバイトすること(千歌のせいで途中から違う話になりましたが)しか描写されませんでした。

しかし他の2つのユニットも別の場所でアルバイトしており

AZALEA:淡島ホテル

Guilty Kiss:遊覧船

で働いていることが他の2つのユニットシングルのドラマパートのタイトルより分かります。

つまりここからダイヤは少なくとも3つの勤め先を手配できたことになります(折り合いがつかずダイヤ側から断ったところもありうる)。

黒澤家が地元の名家であるということから、家の権力を活用して勤め先を手配したと思われます。最もアルバイトを手配した過程は描写されていないので 個人で頭を下げて アルバイト先を探したという可能性もありますが、いずれにせよ黒澤家の娘の知り合いということを生かしたのは間違いないでしょう。

今回のCDドラマは、地元の名家である設定が初めてストーリーに生きた例でしょう。勤め先を手配してあることに、「手配してあるの?」と反応はありましたが、ギャグ的な反応ではなかったので勤め先を手配できる程度の権力の存在はCDドラマ特有の設定では無く 他のメンバーにも認知されていると思われます。

 

今回はあくまでアルバイトという高校生の日常のワンシーンでしたが、黒澤家の権力はこんなものではないでしょう。 逆にこの程度の権力なら名家という設定は、秋葉原の園田家と同じような家柄であるという程度で 半ば死に設定となり完全にギャグキャラ化することもあり得ます。

論理が飛躍しますが、本プロジェクトの舞台の1つである浦の星女学院は音の木坂学院と異なり設定上では完全に廃校が決定しておりますが、 黒澤家の影響力次第では廃校云々に関しても黒澤家が絡んでいる可能性は十分あります。 しかしながら、本記事とは離れる内容ですので別の記事で考察したいと思います。

千歌のバイトでのやりすぎな行動でルビィ,曜がドタバタに巻き込まれるのが今回のストーリーで、当然ながら3人がメインですが その裏で暗躍した(?)ダイヤ(の実家)の凄さにも驚いたパートでした。

 

B.バイト先が全て地元関連である理由

 今回の各ユニットのバイト先は、先述の通り

CYaRon!:「松月」

AZALEA:淡島ホテル

Guilty Kiss :遊覧船
 と全て地元沼津にある商業施設です(遊覧船の具体的名称は現時点で不明ですが)。

今回のアルバイト先だけではなく、前回の2nd single で各学年ごとに水族館へ訪問した時も「あわしまマリンパーク」という風に実名をドラマパート中に出しておりました。

しかも、今回は「松月」を知らない人向けにわざわざ千歌がバイト先の紹介をすると言い出しております。千歌のその発言に対して、曜とルビィはバイトの以前から「松月」を知っていると答えました。 それでも千歌は、ルビィが「少し前に頭打って転んで記憶をなくした」という曜曰く超展開発言をして紹介しようとします(ルビィの当たりの強さはこの場面で見られます)。超展開発言をしてまで「松月」を紹介するのは、ただのギャグではなくきちんと理由があるのです。

その理由は、CDドラマを聴いている人に対して「松月」のCMとしての狙いです。

そもそも、CDドラマでアルバイトでのドタバタ劇をしたいだけならわざわざ地元の商業施設を舞台にする必要はありません。アルバイトの定番であるコンビニやファストフード店でアルバイトすることでも良かったはずです。恐らく他の2ユニットでのCDドラマ(AZALEAは未試聴,Guilty Kiss は本記事執筆時には未発売)でも、3人のいずれかがアルバイト先の紹介をするのでしょう。

つまり今回、バイト先が全て地元関連である理由はCDドラマそのものがメンバーを使ったCDドラマという媒体を使った地元商業施設の盛大なCMだからです。もっと言うと、前回の2nd singleも学年ごとに沼津の水族館に来訪していましたがこれも全く同じ理由です。中々プロジェクト運営は考えることが上手いなと思います。

アルバイトを抜け出すストーリーで宣伝になるかはともかく。。。

 

個人的には本プロジェクト(ラブライブ!サンシャイン!!)の目標そのものが、スクールアイドルという媒体を使った沼津の「地方創生」ではないかと思います。

単純に人気的なことを考えれば、アイマス765プロのようにμ'sの9人で続けていくという手もありますがそれはしなかった。地方を舞台にしてμ’sのように1から仕切り直したということはμ'sではできないことをやりたいというそれなりの狙いがある筈です。

 

運営は、ラブライブ!というコンテンツの知名度をフル活用して

「地方創生」を本気で狙っていると私は思います。

 

6月19日追記:地方創生という割に、千歌達3人(ほぼ全て千歌のせいですが)は真面目にアルバイトをしている様子は見受けられませんでした。そのような人はいないと思いますが、予備知識なしでこのドラマパートだけ聞くとリアル社会の高校生(バイトテロみたいな人は置いておいて)は勿論2次元においてもアルバイトを抜け出すということからかなり3人(ほぼ全て千歌のせいですが。大事なことなので2回言いました)は精神年齢が幼い印象を抱くでしょう。しかし、ラブライブ!サンシャイン!!において真面目にアルバイトする様子を描写することはプロジェクトの構造上不可能なのです。つまり、真面目にアルバイトできなかったのは千歌のせい(偶然アルバイトを抜け出しそうな性格なのでスケープゴートされただけ)ではありません。ちなみに、残り2ユニットもアルバイトの話ですがどこ1つと真面目にアルバイトしません。比較的しっかり者とされるメンバーである、梨子(Guilty kiss)や果南(AZELEA)がいようとダメでした。また、脚本を批判する声もありますがCDドラマのドタバタ劇の脚本は子安秀明氏ですが彼にも責任はありません。彼はプロジェクトの制約に基づき脚本を書いているだけなのです。脚本家の資質を問う声も聞こえそうですがドタバタ劇としてみると脚本はなかなか面白く、アルバイトという真面目にやることが要求されるシチュエーションでなければ特に違和感を感じないレベルです。但し、アニメ版は4クールモノならともかく(最大)2クールという短期決戦でストーリーを構築するのでドタバタ劇は不要ですが。

アルバイトをまじめにやれない諸悪の根源は、千歌でも脚本家でもなくプロジェクトの基本設定を考えた人なのです。プロジェクトの根本が変わらない限り、真面目にアルバイトするドラマパートは永遠に来ないでしょう(CDドラマとして面白いかは別にして)

このことについては、重大なことなので別に考察したいと思います。アニメがコケる理由があるとしたら、脚本・シリーズ構成の花田氏のせいではありません。プロジェクトの基本構造が変わらないといけないです。

 

追記

今回千歌たちがアルバイトをしたお菓子屋の「松月」のHPはコチラです

 松月

 

 (4179字)