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「持たない幸福論」感想~『居場所』を作るということ~

『持たない幸福論』を読了しましたので感想を書いていきます。この本は元日本一有名なニートであるphaさんが「働きたくない」,「家族を作らない」,「お金に縛られない」という3つの「ない」といういう人生論を提示する自己啓発本です。

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筆者のphaさんは自身の体験から、世間の常識である「働く」,「家族を持つ」,「お金は重要」という常識に適応できない人に向けて「働きたくない」,「家族を作らない」,「お金に縛られない」という考え方があってもいいのではないかということを推奨します。この考え方について、本記事では語っていこうと思います。

お品書き

 

 

『居場所を作る』ことが重要だ

「働きたくない」,「家族を作らない」,「お金に縛られない」という人生を送る鍵は「居場所を作る」ことが重要と筆者は考えます。

「居場所を作る」ことの重要性について本文中より引用します

居場所があれば生きていける

人間が人生の中でやることって結局、大体七割くらいは「居場所を作るため」の行動じゃないかと思う。残りの三割は「夢を追う」とか「理想を追求する」とか「空想や妄想を広げる」とかそういうもので、聖書には「人はパンのみにて生きるにあらず」と書いてあるように人が生きるにはそういう地に足がつかない要素も必要なんだけれど、それはそれぞれの人が独自に追求すればいいものなのでとりあえずおいておく。

居場所というのは「安心して居られる場所」「自分はここに居てもいいんだという場所」のことだ。仕事をするのも、お金を稼ぐのも、友達を作るのも、恋人を作るのも、家族を作るのも、家を買うのも、飲みに行くのも、趣味を持つのも、大体全部居場所を求めてすることだ。人は居場所を求めてすることだ。人は居場所があれば生きていけるし、社会のどこにも居場所がない状態になると事件や問題を起こしてしまったりする。

『持たない幸福論』第4章 居場所の作り方 p152

 

赤字部および青字部は私が勝手に付けた部分です。この部分を読んで思ったことは、人の行動の7割は『マズローの欲求5段階説』の5つの欲求の内「社会的欲求(帰属欲求)」を満たすためなのかということです。

マズローの欲求5段階説』の5つの欲求は

1.「生理的欲求」:食欲,睡眠欲など
2.「安全・安定の欲求」:安全とか生活の安定(金,住む場所)
3.「所属と愛の欲求(社会的欲求)」:「集団に属したい」,「仲間が欲しい」
4.「承認の欲求(尊厳欲求)」:集団などで認められたい
5.「自己実現の欲求」:「あるべき自分になりたい」

というもので、1→5の順番に高度な欲求となっています(1の欲求が満たされないと2の欲求は起こらない)。

 

例えば人が仕事をするのは、仕事によってお金を得られることで「安全・安定の欲求」という欲求を満たすためです。しかし、石油王や億万長者で一生働かなくてもよいほどお金を貰えたとしても「働きたい」と言う人は結構います。そのような人は、「安全・安定の欲求」は満たされていても「所属と愛の欲求(社会的欲求)」から先が満たされておらずそれを満たすための行動と言えるでしょうか。

 

残りの3割(青字部)の行動は、「人はパンのみにて生きるにあらず」という「自己実現の欲求」を満たすための行動ということで、いかに人間が7割の「所属と愛の欲求(社会的欲求)」の段階の欲求を満たすので苦労しているのか分かります。

 

まとめ:常識に適応できるに越したことは無い

まあ、筆者も多くの人は世間の常識である「働く」,「家族を持つ」,「お金は重要」という常識に適応できると本書中で述べていますので万人に本書の生き方を勧めている訳ではありません。自分も2回早期離職→再就職活動中のニートということで、一般的には社会不適合の部類ですが、それでもこの本の通りの生き方は(親の目もあり)実行は当面しないので実行には人を選ぶ本ではあります。

 

とはいえ生きにくさを感じている人は多いので、そういう方は別の生き方もあるんだという点で参考になる人生論の本と言えます。

 

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