英国が国民投票により、EUの離脱を決定しました。個人的な見解としては、英国国民のナショナリズムの勝利という素晴らしい結果であると考えます。EU離脱について考察しようと情報を集めていたところ、めいろま(@May_Roma)こと谷本真由美氏がTwitterで考察をしていて詳しく分析されているのに感銘を受けました。
最も、圧倒的多数での離脱決定ではなく地域によっては残留が多数の所もありました。特にスコットランドでは、全選挙区で残留が多数で独立も視野に入れているそうですが、前回の独立投票が僅差で否決されたのでこれを口実に独立しようという戦略なのでしょうか? それならそれで良いのですが、本気でEUという名のグローバリズムのに飲み込まれるつもりならばイングランドの傘下の方がマシです。
特に感銘を受けたツイートを数個紹介しましょう
掃除機の吸引力とか、タンポンの消費税まで決めています。。バカげたことに労力を使うのです。そしてEU官僚の給料は高い。RT @tk_takamura: @May_Roma そりゃ酷い。離脱を選ぶのも当然ですね…。EU委員会の内政干渉が度が過ぎた結果ですか。
— めいろま (@May_Roma) 2016年6月24日
掃除機の吸引力まで決められているとは馬鹿馬鹿しい限りです。日本はアメリカの奴隷であると以前書きましたが、アメリカもここまでは(現時点では)干渉してきません。EUに加盟している欧州諸国は、日本がアメリカの奴隷であるようにEUの奴隷であると言えます。しかもEU官僚の給料についても不満を述べており、国家の壁を超えるのが建前のはずがEUという巨大国家が出現したにすぎません。
前にも書きましたが、日本のEU研究者はEUは人類の進歩だとか、民主主義の進歩形態だと絶賛していましたが、ここしばらくの難民の押し付け合い、金融危機の処理、そして今回のイギリスの離脱などに対してどういう意見なのか、伺ってみたい感じですね。ちゃんと現地調査やってるんでしょうか?
— めいろま (@May_Roma) 2016年6月24日
日本のEU研究者が「人類の進歩だとか、民主主義の進歩形態だと絶賛していましたが」だそうです。日本のEU研究者はサヨクリベラルばかりなのでしょうか。めいろま氏は現地調査をやったのかと疑念を示していますが、思想そのものが間違っているので現地調査をやっても同じ結論に至り無駄でしょう。
EU崩壊の日
さて、EUについては本ブログにおいて何回も登場している思想家であらせられます小林よしのり氏が「民主主義という病い」において崩壊すると予言していていました
EUを見れば、国境線をなくして、「ヒト」「モノ」「カネ」が自由に移動する一大経済圏を作ろうとした実験の結果が見えてくる。ドイツのような独り勝ちの国家が生まれ、ギリシャのような発展途上国化する負け組国家が生まれる。各国の経済の自由が奪われ、移民も難民も自由に国境を越えてくる中で、テロリストも移動し、抑圧されたナショナリズムが鳴動し始めてきている。EU内の各国の愛国者、ナショナリストは、「半グローバリズム」である。国家の伝統、慣習を守ろうとしたら、「反グローバリズム」になるのは当然なのだ。リベラルを気取った連中は、いまだに排外主義はダメだと単純な偽善を言っているが、いずれEUは無残なかたちで崩壊するだろう。
第16章 「グローバリズムは民主主義の敵である」p226
英国のEU離脱決定は本書が発売されて一か月後の出来事ですが、小林氏の言うとおりにEUは英国という大国が離脱し崩壊の危機に陥りつつあります。そして、離脱を選択した国民はナショナリストといって良いでしょう。口だけ愛国の自民党政治家およびネット住民,(自称)保守派言論人よりもよほどナショナリストです(護憲派の民進党や共産党他やSEALDsら左翼は論外)。なぜなら、自民党の政治家から脱対米依存のために米軍基地撤退。最も、私もナショナリストとは言えないと言われたらその通りですが。
ナショナリストのある日本人ならEU離脱を喜ぶべし
ここで、日本の政治家とアメリカの大統領候補の対応の差を見てみてください
◇外務省幹部「経済面、外交面や安保面でも打撃」と危機感
英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利したことを受け、日本政府内では衝撃が広がっている。岸田文雄外相は24日、外務省の杉山晋輔事務次官を今月29日から来月1日までEU本部のあるベルギー・ブリュッセルと英ロンドンに派遣することを急きょ決定した。外務省幹部は「経済面にとどまらず、外交面や安全保障面でも少なからず打撃があるだろう」と危機感を強めた。(中略)
日本政府は、安倍晋三首相が5月の訪英時にキャメロン首相との首脳会談で英国のEU残留を支持するなど、一貫して残留を求めてきた。日本にとってEUは自由主義や民主主義など基本的な価値観を共有しているだけに、「英国の離脱でEUの国際的な影響力が低下するのは日本にとっても不利益だ」(政府関係者)との判断があるためだ。
引用 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160624-00000093-mai-pol
<英EU離脱>杉山外務次官をEU本部とロンドンに派遣決定
毎日新聞 6月24日(金)20時20分配信
日本にとってEUは自由主義や民主主義など基本的価値観を共有しているそうですが、欧州と日本では民主主義の成り立ちは異なります。ここら辺の詳しい考察はおいおいしていくとして、保守派の政治家なら理解している常識です。ここで安倍首相も「美しい国」という著書を出した保守派政治家なら、「残留を求めるのではなくEU離脱の心情は理解できる」というべきでした。そして、英国より遅れていることにショックを受け日本も米国から自立のために憲法改正に繋げるべきです。安倍首相も民進党や共産党のようにサヨクリベラルなのでしょうか?
一方、アメリカ大統領選共和党候補者のドナルド・トランプ氏ですが、EU離脱についてスコットランドで
【ターンベリー(英スコットランド)=黒見周平】米大統領選で共和党指名候補に確定している不動産王ドナルド・トランプ氏(70)は24日、ターンベリーで記者会見し、EU離脱派の勝利を「素晴らしいことが起きた。英国民は国を取り戻した」と称賛した。 トランプ氏が指名を確定した後、外遊を行うのは初めて。国民投票のタイミングに合わせ、現地から情報発信することで、自らが唱える孤立主義的な「米国第一」主義の正当性を強調する狙いがあるとみられる。
トランプ氏は「英国民は国境を越えて移民が入り込むことに怒っている。誰も彼らが何者なのか分からない」と指摘し、「私はこういうことが起きると以前から言っていた」と強調した。
引用 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160624-00050166-yom-int
トランプ氏が称賛「英国民は国を取り戻した」
読売新聞 6月24日(金)21時11分配信
まあ、トランプ氏の主張である「イスラム教徒を入国させるな」や「メキシコとの国境に壁を作れ」からみるとこのような発言は、驚くには値しません。しかし、このような政治家は日本では自民党にも野党にもいません。日本の政治家よりも、トランプ氏の方が国家観に関しては政治家としてまともであると言わざるを得ません。後、EU残留派が多数のスコットランドでこの発言は勇気がいると思います。EU離脱を巡っては、残留派の国会議員が離脱賛成派とみられる男に殺害された事件も起こるほどの政治問題です。トランプ氏が離脱派の方を持つ気かと残留派のスコットランド住民より付け狙われないことを祈ります。
とにもかくにも、英国はEU離脱を決めました。手続きの理由で完全な離脱には2年かかるそうですが、今回の国民投票の結果はナショナリズムの勝利と言っておきましょう。
EU離脱万歳!
そして、日本の同胞も経済よりナショナリズムを取った英国人を見習いましょう。
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参考記事 「民主主義という病い」についての考察
◎めいろま氏のEU離脱tweetまとめ
◎EU離脱問題について分かりやすい解説