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アルミ版漫画「ラブライブ!」4巻感想~μ's vs A-RISEの火ぶたが落とされる~

11月28日改訂 12月13日微修正

笹史(@sasashi1992)です。

長らく3巻までしか刊行されなかった、漫画「ラブライブ!」(作者:鴇田アルミ  )ですが2016年8月27日に「ラブライブ!」4巻がついに発売されましたので読んだ感想についてレビューしたいと思います。

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アルミ版4巻の前日に、「ラブライブ!School idol diary セカンドシーズン01 ~秋の学園祭♪~」も発売されていますが作者もストーリーも別物なので今回は取り扱いません。

 ファイナルライブも終わり、公式的にはすっかり現在アニメ放映中の後継作「ラブライブ!サンシャイン!!」に焦点が移ってしまった中で、貴重な無印「ラブライブ!」のメディア展開となりました。

途中からネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。

お品書き

 

1.アルミ版漫画「ラブライブ!」3巻までの展開

要約しまくるとこうですね

廃校の危機に音ノ木坂学院を救うために高坂穂乃果がスクールアイドルを始め幼馴染の園田海未南ことり等をはじめ音ノ木坂高校の生徒をメンバーとして集めていきます(とはいえ加入順番や加入の経緯は全く異なります)。メンバーが無事9人集まり、ユニットの名前も「μ's」と決まりスクールアイドル版甲子園の「ラブライブ!」出場に向けて活動を開始しました。活動の一環として、曲とPVを作り「ラブライブ!」にエントリーして票が入って喜ぶものの・・・

アルミ版「ラブライブ!」の音の木坂学院スクールアイドル部の目的も、アニメ「ラブライブ!」と同様に「廃校阻止」を掲げておりそのために「ラブライブ!」出場を目指します。ですが、本作のアルミ版漫画「ラブライブ!」はアニメ版と展開は全く異なります(アニメ版のコミカライズではありませんので当然ですが)。読んだことが有る人はどのような展開になるのかご存知だと思いますが、読んだことない人向けにアニメ版との展開の違いを説明しますと「部活動路線が強い」とだけ言っておきます。

とはいえ、展開の違いはブログで説明するより漫画を実際に読んだ方がアニメ版との違いは分かると思います。そこで、未読者向けにアルミ版漫画「ラブライブ!」1~3巻のAmazonを張っておきます。

 

 

 2.4巻について簡単解説+感想(ネタバレ無し)

4巻についてネタバレしないようにストーリを解説すると、「音の木坂高校が目の敵にされているUTXにスクールアイドルを始めたので宣戦布告され、UTXのA-RISEに立ち向かうためにμ'sの9人が色々活動していく」という中身です。アニメ版ではA-RISEはライバル(笑)みたいなイメージでしたが漫画版では、完全な敵対ユニットで叩き潰そうとしてきますのでぬるいアニメ版が嫌だった人も楽しめると思います。

個人的な見どころとしては、「UTXのスクールアイドルA-RISEのレベルの高さ」,「真姫がポンコツ3人組にいらだっているシーン(一人は意外な人物です)」,「絵里と穂乃果が意外と似ている」という点でしょうか。巻末は特別編として、UTXとの対決とは無関係なバレンタインデーの話が掲載されていますのでお楽しみに。

 

ここからは、アルミ版漫画「ラブライブ!」4巻のネタバレになります。

未読者はブラウザバックor記事を飛ばすことを勧めます

 

3. 4巻各話レビュー

 ア.25話

UTX生徒会長が自校のスクールアイドルA-RISEの動画を見ていると、目の敵にしている音の木坂高校の絵里がスクールアイドルとて活動しているPV(3巻で作成したもの)を偶然見つけ目をつけられます。嫌な予感がしますね。

そんなことはいざ知らず、9票しか入らずメンバーしか入れていないと思い落ち込んだμ'sですが少なくとも1票はμ’s 以外の誰かが入れたことが判明します。知り合いなのでしょうが、もしかしてどっかでその票を入れた人物は明らかになるかもですね(どん底のμ'sに最初のファンだよとかいう展開)。

イ.26話

絵里がUTXの生徒会長と幾度目かのバトルします。

バトルしている2人を希はなだめようとしますが、

 UTX生徒会長 「ちょっとウチの後輩に気軽に話しかけないでくれる!?」

 絵里 「希ってばバカにされてるのはこっちなのよ!?」

 と睨まれてしまいます。UTXの生徒会長は零細高校ながらも絵里は結構評価しており、スクールアイドルを兼任したことに怒りを隠せない模様です。「零細高校ながらも」というのはすごい嫌味な言い方ですが。「ラブライブ!」出場に向けて活動を開始しましたμ'sに対してUTX生徒会長はA-RISEを呼び出し

 音の木坂学院がスクールアイドルを作ってラブライブ!に出るということはそれって

私たちへの宣戦布告― そう思っていいってことね?

 と宣戦布告を言い渡されます。A-RISEは1巻で穂乃果がライブを見に行った時以来の登場ですがあくまでアイドルと観客としての関係の登場でした。なので、μ'sと面識ができたのはこの時が初めてです。それにしても、生徒会長のみならずA-RISEのメンバーも非常に目つきが悪く敵対校ということがはっきりと分かります。

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この調子ですと、音の木坂とUTXが分かりあえる日は漫画版では来なさそうです。UTXが廃校とかなったら、この世界観のμ'Sメンバーは(にこは除く)は「ざまあみろ」とか言い出しそうです

ウ.27話

前話で宣戦布告された絵里と希がパフェを食べているところを穂乃果たちに見つかり、休憩という名目でパフェを食べることに。A-RISEとの勝負は積極派と消極派に分かれます。結局にこが「A-RISEとの勝負を受けてそれを動画などで流せば知名度UP」と行って消極派を押し切って勝負を受けることに。

A-RISEとの勝負を積極的に受ける派はこの時点で、穂乃果とにこですが穂乃果とにこでは勝負をすべきと主張が異なります。穂乃果は「同じ高校生だし堂々と勝負すべき」というのに対し、にこは勝ち負けより知名度UPを重視している節があります、なぜにこが、勝敗よりμ'sの知名度UPを重視しているかは次話で分かります(他のメンバーとにことでは行動原理が異なります)。一方、凛や海未たちは勝負を受けるのに反対でした。反対派の理由は全員同じで「負けてラブライブ!辞退になるリスクが大きい」というものです。反対派の理由の方が、「廃校阻止」という目的からすると理に適っているとも言えます。自分がA-RISEとの勝負を受けるor受けないと言われれば結構難しいです。「廃校阻止」だけを考えればラブライブ!辞退に成り得るので勝負を受けるのは辞めそうな気がしますが・・

エ.28話

 27話でにこがA-RISEとの勝負を受けるべきと主張した理由は、にこの行動原理が「A-RISEとの勝負で知名度を上げ大手芸能事務所入り」を目指しているからです。他のメンバーが「廃校阻止」が目的で行動しているのにも対し、にこは音ノ木坂学院への愛着ではなく自分の利益(プロ入り)を目的にしています。まあ、3巻まで見ていたら分かるのですが。行動原理の違いからの、にこと他のメンバーの軋轢は今後書かれてもおかしくありません。特に廃校阻止できずとも知名度アップでプロ入りのチャンスが生まれた場合とかに。アニメでもことりの取って付けた留学騒動より、アルミ版の矢澤にこのように「プロ入り最優先」の行動原理にして対立構造からの軋轢を書いた方が良かったと思います(廃校阻止という利他VSプロ入りという利己)。個人的には、アニメ版より漫画版のにこのほうが正直好きです。

オ.29話

A-RISEのツバサがUTXの生徒会長が格下のμ'sとの勝負を受けた理由に「まだ足りないものがあるのか?」と疑問を持つシーンがあります。このシーンでは吹っ切って、「誰であろうと全力で勝つ」と自分に言い聞かせました。もしも、A-RISEがμ'sに負ける展開になれば足りないものは何だったのか思い知りそうです。

カ.30話

絵里と希がUTXでA-RISEのライブを見て実力の差に圧倒されますが、それでも参加した以上は「絶対に勝つわ」と希に告げます。希は絵里が穂乃果と似ていると印象を持ったそうです。穂乃果に似ていると評されるアニメ版の絵里とはえらい違いですね。

アルミ版絵里はポンコツさはアニメ版ほどではないですが、その分穂乃果みたいな行動力があると思いました。まあ、そのせいで後の話で真姫ににこや穂乃果と同類扱いされるのですが・・・

キ.31話

序盤はにこが対決内容をμ'sのメンバーにプレゼンします。中身が「花陽の大食い対決」や「希と穂乃果による運試し対決」というふざけた内容なので却下されましたが。まあニコが目指すプロのアイドルにはバラエティー的要素も求められることを考えれるとにこの対決内容も理解できますが、いかんせんスクールアイドルですとバラエティー的要素は微妙な所です。その後絵里が穂乃果と一緒に考えた内容で対決内容をプレゼンするのですが、タイトルが「私たちの打倒A-RISE!全国にその名をとどろかせようμ’s秋葉原アイドル盛り上がり計画~!」とふざけておりにこに突っ込まれます。まあ、対決内容はにこのプレゼンと異なり曲作りやステージ対決とスクールアイドルの対校戦として相応しいのですが。というか、読んだときはμ'sサイドが対決内容を決めれるのだというのが驚きでした。

ク.32話

穂乃果は「やるしかないよ!頑張ればできる!」と究極の精神論で海未とことりを鼓舞しました。とりあえず度を越した精神論は負けフラグになりかねないので注意が必要です。

 

ケ.33話

対決に向けて曲作りに励む真姫ですがスランプのご様子でというお話です。

アルミ版真姫にとっての3バカは「ほのりんにこ」ではなく「ほのえりにこ」です。言われてみれば、凛はアニメ版よりは常識人というイメージですね。ここにポンコツチカではなくおバカチカの誕生です。3バカならば希が30話で絵里が穂乃果と似ていると評したのも、理解できますね。

アルミ版ラブライブ!は、ギャグ描写がアニメ版よりうまい気がします。

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コ.特別篇

UTXとの対決とは全く関係ないバレンタインデーのお話です。絵里が生徒会長ということでチョコを貰っているのを知った穂乃果が日々お世話になっている海未にチョコをあげるのですが、結局μ'sの全員にあげたというお話です。「この時期に3年生が学校に居ますが自由登校では?」のツッコミは無しです。余談ですが私の高校では、3年生の1月から自由登校でした。

 

4.総評:王道部活物としてのストーリー

アニメ版ラブライブ!より典型的な部活物というシナリオで、個人的にはこちらのストーリでアニメ化してほしかったと思います。5巻は少なくとも1年後と思われ、その頃には無印ラブライブ!は今以上にサンシャイン!!に取って代わられているでしょうが完結(ラブライブ!出場)まで見てみたいと思える4巻のストーリーでした。

 

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