ラブライブ!サンシャイン!!2期7話の感想を書いていきます。2016年に1期の感想を書きましたが、2期も1期同様に感想や考察を書いていきたいと思います。本話はやや批判気味に書きます。。。
記事の作者:笹史(@sasashi1992)
お品書き
1.視聴した感想~ラブライブ!なんてどうでもいいなんて、軽々しくいうな!~
「ラブライブ!決勝進出(トップ通過)」という最高の展開(天)から、「廃校決定」という最悪の展開(地)にまで追いやられる忙しい回でした。全体的に言えばシリアス回で、シリアス展開の中でも廃校決定という救いのなさもトップクラスという暗さです。「廃校決定関連」での突っ込みどころは沢山あるのですが、これに関しての詳細は後に別記事を書きたいと思います。
「廃校決定」がメインとなる今回を象徴していたシーンが、千歌の「ラブライブ!なんてどうでもいい」発言です
千歌「見つからない。だってこれで優勝しても学校は無くなっちゃうんだよ。奇跡をおこして学校を救ってだから輝けたんだ。輝きを見つけられたんだ。学校が救えなかったのに輝きが見つかるなんて思えない。私ね今はラブライブなんてどうでも良くなってる。私たちの輝きなんてどうでもいい。学校を救いたい。みんなと頑張ってきたここを。」
主人公である千歌が本作のテーマである「輝く」という言葉と作品のタイトルでもある「ラブライブ決勝出場」を全否定してしまいました。この発言はいささか衝撃を受けるとともに、疑問を抱きました。周囲の感想を見ると、μ'sアニメと異なり後付けである廃校問題に固執しすぎているという批判が結構見られました。
次の2つのブログから「廃校固執」批判部分を引用します。
千歌ちゃん、いつからこんなに廃校問題に固執するようになったの?そもそも君、一期6話で
「ついにキタ‼︎廃校キター‼︎」なんて言ってたじゃん。まああれは後で思い直してたけど、それでも少なくともあなたにとって廃校問題は人生史上最大の命題じゃないでしょ。
(中略)
違う、違うんですよ。いつからAqoursにとって、廃校問題はそんな至上命題になったんですか。そりゃ学校が大事なのは分かる。浦女で過ごした日々が何より大切で守っていきたいのは分かるよ。そしてその思いが浦女全校生徒に通じて、Aqoursが彼女らを乗せる最後の大舟となったのも、1話感想で言及しました。
私の1期6話では取り上げなかったですが、初めて廃校問題がアニメで取り上げられたとき、千歌はμ'sと同じだ!という理由で廃校を喜んでいたのですよね。μ'sアニメで廃校問題が出てきたのは1期の1話アバンですがこの時の穂乃果は気を失っています。ま、Aパートでは編入試験を受けなくてもよいと分かった後にパン食べていますが。穂乃果も千歌もスクールアイドルの発起人であるには変わり有りませんが、穂乃果は廃校を何とかしたい(「この学校のいいところをアピールして生徒を集めれば良いんだよ」という発言もありますし)という目的がありました。しかし、千歌は「輝きたい」という超抽象的な理由でしかありません。廃校問題は人生史上最大の命題でも何でもなく「輝く」のが史上最大の命題なのです(何をもって「輝く」のかは不明瞭ですが)
そりゃ、1期6話でも最後に取ってつけたように「私やっぱりこの学校好きなんだ」ってちかっちは言いましたし、その後も皆で色んなことを乗り越えて廃校を阻止するために頑張ってきた訳ですから、その努力が実らなかったショックは察するに余りあるものとしても、物語として明示的に語られた千歌の学校に対する価値観はやはりこの1期6話がほぼ全てであって、千歌が今回に至るまで思いつめるほどに学校に執着を持ってしまった理由を視聴者側に全部察しろというのはあまりにもムチャな話です。
ラブライブ!サンシャイン!!2期 #7「残された時間」感想-奇跡を求めた普通星人の喜劇と悲劇。 - ひだまりPはこう語った
>> 千歌が今回に至るまで思いつめるほどに学校に執着を持ってしまった理由
1期1話からずっと1話も欠かさずリアルタイムで見ていますが、理解できません。地元愛や全校生徒から力を貰ったとかいうのは1期6話や13話で描かれていますが、決定的な理由は私の読解力が無いのか見つけられませんでした。
まあ、100歩譲って「廃校阻止」に固執する理由が千歌たち9人(温度差は多少あるようですが)に描かれてないだけであるとしましょう。
しかし、
ラブライブなんてどうでも良くなってる
という千歌のラブライブ!出場全否定発言は到底容認できません。「廃校阻止」固執なんかより余程重罪です。
はっきり言うと、「ラブライブ!舐めるな」という一言です。
ラブライブ!出場全否定発言そのものは、μ'sアニメ1期12話でも穂乃果がことりの留学や目標としていた廃校阻止が達成されてしまったせいで口にしてしまいました。
この時はにこが
にこ「あんたそれ、本気で言ってる?本気だったら許さないわよ。許さないって言ってるでしょ!?にこはね、あんたが本気だと思ったから 本気でアイドルやりたいんだって思ったから、μ’sに入ったのよ!ここに賭けようって思ったのよ!それをこんなことくらいで諦めるの!?こんなことくらいで、やる気をなくすの!?」
と激怒します。「ラブライブなんてどうでも良くなってる」なんて発言、にこがいたら穂乃果に対してと同じ言葉を浴びせられるのは確実でしょう。
7話冒頭では決勝進出を決めたAqoursの陰で、決勝進出を逃して無念そうなモブグループの様子が描かれています。そのグループのメンバーが千歌の発言を聞いたらどう思うでしょうかね。「出場枠譲れ!」とか言い出しても不思議ではありません。Aqoursの9人は自己中な連中としか思えません。まあ、メインのスクールアイドルでさえSaint snow(しかも他地区ですし)しか交流している様子の伺えない超内輪受けグループなので井の中の蛙なのでしょうか。対バンとか組まないのでしょうか。
更に言うと、
海未「あなたがそんな人だとは思いませんでした・・・・最低です。あなたは・・・あなたは最低です!」
上の海未のように、千歌に対して果南or梨子辺りがビンタしてもおかしくありません。
しかし、そうはならなかったのです。これはどういうことか。なぜなら、冒頭の千歌みたいな考えを他のメンバーも大なり小なり持っていたからです。
千歌の冒頭の発言の前には、3人が以下のように優等生的な発言をしていたのですが彼女たちも完全に「廃校阻止」固執という概念を吹っ切れていなかったのです。
果南「…でも、千歌達は学校を救うためにスクールアイドルを始めたわけじゃない。」
曜「輝きを探すため。」
鞠莉「皆それぞれ、自分たちだけの輝きを見つけるため。でも…」千歌「見つからない」
ただ、μ'sの時と事情が違うので彼女たち9人の未熟さや脚本の不備を責めることは一概のできません。μ'sの時と違うのは「廃校阻止」という全員に大きく関わる(廃校時には卒業する3年に関しても理事長,生徒会長という当事者もいます)目標が「ラブライブ!予選1位通過」という結果を残してもなお達成できなかったという無念さというか絶望感が共有されていることです。
現に入学希望者が100人届かず廃校決定後に、練習に身の入らない千歌を見て練習を止めた後の9人の様子が「空も心も晴れるから」を挿入歌に流れるのですがどのメンバーの様子も沈んでいます。メンバーが一様に沈むシーンは、1期8話の東京でのイベント後以来です。
ですので、μ'sの時の、にこのように怒る気力も無かったのです。と最大限フォローしておきます。結局のところ、「廃校阻止」に固執するあまりラブライブ!を棄権しようと考えるくらいには、誰もμ’sほどラブライブ!へ向けて真摯に取り組んでいないと私はみなしましたが。
本筋とは外れますが、梨子を心配する梨子母は良い親です。
結局メンバーの自助努力では立ち直れず、
学校のみんなに「Aqoursともに学校の名前を残してほしいという」想いを背負い、Aqoursの9人は最後の大勝負へと出陣することになります。千歌のメンヘラを直すために、(メンバーの誰かに)動員された全校生徒もいい迷惑ですが。
色んな意味で最後のラブライブ!決勝に向けてみんなで走り出そうということになるシーンで梨子が今後の千歌に関して非常に重要な示唆をします。
梨子「ついに普通じゃない、本当の怪獣になっちゃうのかも。千歌ちゃんは。」
本当の怪獣≒浦の星女学院を歴史に名を残すということなのでしょう。というか、廃校阻止に固執するあまりラブライブ!をぶん投げる時点でもはや普通ではありませんが。まさか、ラブライブ!決勝辞退するので交換条件で入学希望者98人で許してとか交渉するなら1%くらいは理解できますが…
2.本話の総評~展開盛りだくさんだが意外と不評~
本話は、ラブライブ!決勝進出決定→廃校のタイムリミット最終日→廃校決定→ラブライブ!どうでも良い発言→学校のみんなの期待を背負い最後の勝負に出る、とかなり忙しい回でありました。本来なら2回に分けても良いくらいのボリュームなのですが、結構「感情」を揺さぶられましたね。
色々とシナリオの整合性が取れてない(ラブライブ!自体が整合性を重視するコンテンツではないですが)せいか不評な意見が散見されています。定量的にも本話は今1つと感じる方が多く、ニコニコ生放送のアンケートでも1が79%と2期で最低の数値を叩き出しています。
2期7話感想を一言で言うなら「勘弁してくれ」だ。千歌っちは輝きたいと願ってアイドルを始めて、そんな彼女の想いの下に素晴らしい仲間が集まったのに。その「輝き」を学校なんてちっぽけなものに全部治めてしまったせいで、今夢見た舞台を前にしてこんな事で足をくじかれている。「見てられない」だ。
— 穂乃果ちゃん絶対妊娠マン (@Hidamarie_win) 2017年11月18日
やはり今回の千歌の発言は、にこならビンタものですね。
そりゃこの向きでラブライブ大会目指したら「失うものはもう何も無え、全身全霊で勝ち取りに行ってやらぁ‼︎」でめちゃくちゃスポ根っぽいけどなぁ
— Sunny Road (@Elysia_Sunny) 2017年11月18日
結局アニメラブライブ!で描くスクールアイドルは強弱はさておき「廃校」と「ラブライブ大会」にしか視野がいかなかったのかと思うと随分内輪なアニメ
これも同感です。個人的には、大人を出さなかったり本人たちがスクールアイドルを通じて1人1人どうなりたいのかを描かなかったことによる限界だと思います。「けいおん!」ですら大人(さわちゃん先生)が描かれているのに、内輪でしか話を展開していないせいで自己中なグループに見えてきます。
後、今話のサブタイトルの意味合いとしてはこういう感じでしょうか?
思えば第7話のタイトル「残された時間」って、最初は「入学希望者を集めるリミットまでの残された時間」だと思っているけど、見終わった時には「浦の星のAqoursでいられる残された時間」に変わっていて、その意味の重さに泣けてきます…#lovelive_sunshine
— とりぞー (@naruminskey) 2017年11月18日
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次回「HAKODATE」ギャグ回&Saint snow回でしょうか
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