冒頭で幼い時に、ダイヤ,鞠莉,果南が見つけられなかった流れ星。この流れ星が本話の大きな鍵となります。
ラブライブ!サンシャイン!!10話「シャイニーを探して」の感想を書いていきます。
今回は3年生の進路が明示されたり、Saint snowが沼津に来たり、男性が登場したりと結構中身の濃い30分間でした!
お品書き
1.本話の感想
A.Aパート
お正月ということで、着物姿で登場する千歌。「お年玉」というタイトルで、書初めを書いていますが別に学校の宿題をやっている訳ではなく、お年玉を両親に請求するためです。千歌曰く、「学生のうちはお年玉を貰うのが一般的」ということらしいですが…
1期13話以来の再登場となる、千歌母です。本話の途中で東京に帰ったのですが、旅館だけでは生活できないので東京で出稼ぎに行っているのでしょうか? もしそうなら高海家も前作の矢澤家並みに貧乏ということになります。 まあ、残り3話で真相が明かされる可能性は0に近いでしょうが。
父が漢詩を嗜む良家の桜内家の一人娘、梨子は「(お年玉)もういらない」と言ったらしいですが、東京に母が出稼ぎに行っているくらいなら千歌こそお年玉貰っている場合ではないでしょう。
お正月からラブライブ!決勝の練習ということで集まった9人ですが、そこにSaint snowの姿があります。後の描写から沼津に遊びに来たついでに、Aqoursの練習を決勝経験者として指導しに来たことが分かります。
練習を指導するのは切磋琢磨していくポジションであるSaint snowならではですね。これが絶対王者であるA-RISEのような立ち位置ならあり得なかったことで、本話の高評価ポイントの1つです。
学校の立地の共通点を知った後に、「どうあがいてもこの学校は無くなる」と聞かされた時の2人の表情が何とも言えません。そういう運命を背負っていたのかと新たな一面を知ったこの感じがたまりません。
こうして、正月でなまった体を取り戻すべくSaint snowの2人の指導のもと練習をしていくAqoursの9人ですが…
鞠莉:こうして、時って進んでいくんだね
と、意味深な言葉を3年生2人にこぼしました。もちろん、後の伏線です。
本当に、ラブライブ!決勝大丈夫なのかと不安がるメンバーに対して聖良は
聖良:行けると思いますよ。ステージって不思議とメンバーのキモチがお客さんに伝わるものだと思うんです。今の皆さんの気持ちが自然に伝われば...きっと素晴らしいステージになると思うんです。
何か、決勝も優勝しそうな勢いですね。まあ、Saint snow以外にこれといったライバルユニットは登場してないですし、μ‘sのアニメの時同様に決勝に関しては消化試合的になるのでしょう。
鞠莉が統合先の高校の理事を断り、父の進めるイタリアの大学に進学を決めたという鞠莉です。3年生の進路が(G`sと同様の設定とはいえ)、明示されるのは初めてですね。μ‘sの時は不気味な程に進路が分からないどころか、仄めかす描写すらなかったので「最後のラブライブ!」と言われても今一つ感情移入が...というのが正直ありました。
「最後」というに感情移入できるこの進路明示に関しては、2期全体を通して最も評価できる点です。これだけで10話は大評価できます。後でダイヤと果南も進路が明らかになります。
というか、こうなると鞠莉が留学から1年だけ帰ってきた理由が分からなくなります。あのまま留学して、そのままイタリアの大学進学でも良かった気がします。鞠莉本人は最後の思い出づくりのつもりでしょう。
しかし、穿った見方をすると両親の意向としては子どもを理事長にして浦の星を畳む口実にでもするという算段もあったのでしょう。あるいは経営者の跡継ぎとしての訓練も兼ねて、廃校寸前の学校を練習台にという可能性も… 浦の星は2期7話どころか1期の段階でどう考えても存続できるとは思えなかったですし。
B.Bパート
Saint snowの2人と別れた後、ダイヤと果南は鞠莉を呼び出します。
2年前のように、勝手に海外に行ったことを怒るわけではありません。それは、2人も鞠莉同様に沼津を離れ、簡単には会えなくなるという報告でした。ダイヤは東京の大学へ推薦が決まり、果南は海外でダイビングのインストラクターの資格を取るということです。
名家(であるらしい)ダイヤや言わずもがなな大金持ちの鞠莉はともかく、果南に関しては金銭的問題が懸念されますが…
ラブライブ!サンシャイン!!二期十話4コマ#lovelive_sunshine pic.twitter.com/681kfxxxMd
— さね野郎 (@saneyaro111) 2017年12月9日
結果的には3年生は沼津に誰も残らないというのですが、まあ地方なので仕方ないです。繰り返しますが、今話で進路を明示したのは良かったです。というか、2期のシナリオが「別々の道」に進んでも「心はずっと一緒」あるいは「また会えるよ」というのが着地点と考えれば、「別々の道」を強調する意味でも、進路明示は必然ともいえるでしょう。進路も分からないのに、「別々の道」と言われても「は?」ですからね。
その後、3年生3人で鞠莉の思い出話となり
冒頭の脱走で流れ星を見るイベントで鞠莉の部屋が高くなっていったということで、ダイヤと果南と遊べないのに耐えられない鞠莉が両親に勘当を言い渡したという思い出です。原作では黒澤家が厳格という設定ですが、アニメ版では小原家の方がどうみても厳格で「檻(ホテルの部屋)の中のお嬢様」という印象を受けましたね。
そして、果南とダイヤから「世界が広い事」や「友達といると時間を忘れる程楽しい事」などたくさんのことを学んだと告白する鞠莉です。2人が連れ出してくれなければ、自分は「ずっと(ホテルの)あの部屋から出られないまま」だったとも。鞠莉にとって2人は、檻の中から外に出る鍵みたいな存在だったのでしょう。
引き続き、お年玉獲得に奮闘する千歌です。父親が(顔や声は分かりませんが)、何気に初登場です。個人的には男性キャラは物語に必要な人物(親や)なら声付き・顔出しで出しても良いと思うのですが、仕方ないですね。まあ、一応評価はできます。
後、千歌の母親はこの段階でもう東京に帰ったことが美渡より告げられます。1期最終話でも東京在住という描写もありましたが、ここら辺3年生全員が沼津を離れるということや浦の星女学院そのものが消滅してしまうのも踏まえて、残り3話で千歌に関して重大な転機があると個人的には考えています。これについては後で詳しく書きます。
9人で思い出づくりに夜のドライブに出かけるのですが、ここで鞠莉が運転免許(しかもMT)を持っていることが分かります。余談ですが、私はAT限定免許です。
まあ、運転免許取得していることから、おそらく進路については前々から決定してたのでしょうね。でないと、ラブライブ!決勝どころではないですし当然とも言えますね。ダイヤも果南も進路に関しては事後報告といった感じでしたし。
空飛ぶクルマのシーンです。流石にこれは現実離れしていますが、9人を乗せて明るい世界へというイメージと割り切るしかないですね。
ドライブの目的として、「いつかまた一緒になれるように」と流れ星に祈りたかったけど雨で無理だったという鞠莉に対して、必ず晴れると信じる千歌です。
最後にはみんなの力で、奇跡的(?)に晴れてお祈りをして流れ星が見えてエンディングに向かいます。ここら辺のシーンについては多くは語りません。みんなが祈って晴れるということもμ‘sとの違いですが詳しい考察は割愛させていただきます。
次回 #11「浦の星女学院」です。
浦の星女学院廃校前の思い出づくりの回だと予測できますが、この回の終盤辺りで爆弾が来ると思いますね。
2.総評
結論から言うと、3年生の進路問題にケリをつけてくれて、Aqoursの今後についてもμ‘sと別の「別々の道に進んでも」「いつかどっかで会えるさ」という着地点を提示してくれ、鞠莉の掘り下げも出来たという鞠莉回+全体回として2期の中では最高の評価といっていいでしょう。
正直、2期4話や5話辺りでキャラの掘り下げのみならず本筋を進めれればなぁという不満はありますが。
本話に関しては、後は小ネタぐらいで語ることはそんなにないです。千歌の件を除いてはですが。
10話はBlu-ray6巻に収録予定です。
ラブライブ! サンシャイン!! 2nd Season Blu-ray 6 (特装限定版) | ||||
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3.小ネタ
この着物姿のイラストのポスター欲しいです。
Saint snowと別れるシーンでルビィが2期初めて「がんばルビィ」を披露。花丸曰く、必殺技らしいですが、理亞からは「何それ?」という真っ当な反応が返ってきました。
ここからは、結構重い話になるので気楽にこのアニメを楽しみたい方は戻ることを勧めます。
考察:千歌の進路問題
A.千歌は浦女廃校をもって沼津を離れると予測します
本話では3年生の進路について明示されました。進路は違えど、3人全員が沼津を離れるという点に関しては共通しています。
残りの1・2年生の進路は特に今のところ明示されてないですが、普通に考えれば統廃合先に通うのは分かります。私も今話を見るまではそう思っていたのですが、どうも千歌に関しては統廃合先に通わず、浦の星廃校に伴って沼津を離れるのでは?と考えています。
その根拠としては第1に、「千歌の母親が東京で生活」しているという点です。東京で生活している理由は、旅館業だけでは生活できない+沼津というか内浦周辺では仕事が無いので出稼ぎに行っていると思われます。
正月も本話中盤で早々と東京に戻っていることから、この理由は有力でしょう。
千歌も来年は高校3年生で進学にしろ就職にしろ、進路決定の学年を迎えます。ただ、就職ならまだしも進学の場合3年生3人を見ればお分かりでしょうが、沼津を離れる必要があります。
鞠莉や果南(大学では無さそうですが)のように海外進学という可能性もありますが、ダイヤのように国内進学の場合は都市部の方が学校が多いので現実的です。沼津で進学となると、一番近い大都市は東京となります。ダイヤも東京の大学に進学ですし。
後の要因としては、「浦の星女学院消滅」です。
浦の星女学院が統廃合で消滅するので、来年は統廃合先に通うことになりますが、ラブライブ!棄権したいほどに浦の星に思い入れのあった千歌が、果たして思い入れも無かった統廃合先に1年だけ通いたいと思うでしょうか。新たな環境に無理やり慣れつつも、今度は進路を決めなくてはいけません。さらに、進路で進学コースを選べばほぼ確実に沼津を離れることになります。
となれば、浦の星女学院も無くなった後で、千歌にとって沼津に留まるメリットはさほどありません。どうせ、1年後には進学で沼津に離れるなら、統廃合という節目で東京に呼び寄せて母と一緒に生活でも構わない筈です。Aqoursは?という意見もありますが、3年生が欠けた状態では開店休業状態でしょう。
東京ということは必然的に転校することになりますが、統廃合先だろうが実質転校生みたいなので結局同じです。これが母も沼津で単身東京となれば、話は別ですが(まあ、東條希みたいに1人暮らしという手もありますが)。
仮に就職というコースを選んだとしても、沼津よりも東京の方が仕事に恵まれているのでそのまま東京で就職して暫くは母親と同居すればいいですし。
個人的には、千歌だけでなく梨子も沼津に来た理由いかんによっては東京に戻るべきと思います。特にピアノのトラウマが原因なら1期11話で解決済みなので、ラブライブ!決勝が終了して、浦の星廃校後は希のように1人暮らしをしてでも音ノ木に出戻っていいと思いますね。
まあ、1年生組や曜は統廃合先に通うでしょうが... ルビィが、姉もいなくなったし理亞と一緒の学校に行きたいとか言い出せば別ですが。
B.メタ的な根拠
2期で一番影の薄いキャラクターは渡辺曜でしょう。2期全体で見ると、サブキャラに過ぎないSaint snowの方が曜よりも余程目立っています。
2期の曜の描写に関して幾つかtweetを見かけたので紹介します
推し様には悪いけど、曜ちゃんって2期で敢えて「立ち止まらせてる」節があると思う。今のAqoursの向きとは少し質が違う感じ。
— Sunny Road (@Elysia_Sunny) 2017年12月9日
1期から見ても、彼女って良くも悪くも「輝きへの動機付け」が千歌ちゃんありきになってしまってるからね。船や航海を象徴する彼女はAqoursの海原に軌跡を描けるか
だから曜ちゃんをアニメ改変としてより彫り深く描くのなら「そこから」だと思ってる。
— Sunny Road (@Elysia_Sunny) 2017年12月9日
ここまでは原作準拠の、幼馴染の熱い思いに全速前進ヨーソローだったから、ルビィちゃんのような「成長」や「躍進」を手掛けるなら今後の千歌ちゃんとの付き合い方、具体的には統廃合後のAqoursとの関わり方かなぁ
コチラは、別の発信者に対して私がリプライしたものです。
友情ヨーソロのアンサー回というか、浦の星が無くなると同時に千歌が東京に転居することになり、曜とお別れでアンサー的な展開をならあり得そうですが。千歌母も東京在住の様ですし。
— 笹史 (@sasashi1992) 2017年12月9日
巷では、「友情ヨーソロ」で曜の個人回は終わりかぃということが言われますが、自分も見ていて確かに不完全燃焼とも言えますね。
となると、曜の個人回というか友情ヨーソロのアンサー的な展開の起爆剤として、千歌が沼津を離れて東京に転校するという可能性はあり得ます。うまく描写すれば、東京から沼津に来た梨子との対比的な描写も一緒に描けますし、卒業で別れるのが当然な3年生だけでなく、1・2年生でも別々の道を歩む登場人物がいるというのは、何よりも「別々の道に進んでもいつか会えるよ」という本シリーズの着地点にピッタリです。
ED「勇気はどこに?君の胸に!」のバスから降りるシーンで、ここまでは1or2人が降りてきましたが、次が特殊EDでない限り誰もおりてこないと推察します。
ここで思ったのは、
もしかしたら誰も降りてこない話があるのではないでしょうか。
なんらかの理由でAqoursが活動休止せざるを得なくなる。活動を続けるのが困難になる。
そんな状況になって誰も降りてこない。
これは物語の終盤にやってほしいところなので、11話は誰も降りてこないということにしておきます。
まだ、3年生卒業&廃校後のAqoursの活動をどうするかはアニメ内ではラブライブ!決勝に専念したいということで保留状態ですが、11話のどこか(おそらくラスト)で千歌が沼津を離れ、東京へという話になれば、活動を続けるのが困難となり必然的に活動休止状態になります。そもそも、千歌は一応リーダーでもありますし。
μ‘sが活動終了を決めたのは、穂乃果たちが自分で決めたことですが、Aqoursは千歌の東京行きという外的要因で活動が終わるという可能性が高いです。そうなれば、μ‘sとの差別化になりますし。
(6245字)