昨今の大学では「就活を大学1年」から始めるという動きだそうです。
「就活は大学1年生から始めるべきだ」という記事が掲載されていました。
自身も数年前まで大学生でしたので、自身の経験(教育学を専攻していたわけではありません)から大学関連の記事をブログで書いていますが、この記事の内容には1mmも同意できないと思い、見出しに本記事の要点を書いていき、下に私の感想を書いていきたいと思います。
それで、「就活に4年間費やす大学に行く価値はあるのか?」について読者に判断してほしいと思います。
お品書き
企業研究不足で早期離職者はむしろ高水準
→いくら企業研究したって、入社して働いてみないと結局わからん!
企業研究不足で早期離職者はむしろ高水準
学生は自分自身のキャリア形成や企業内容などについて、認識が不十分なまま就活を進めるので、入社してからミスマッチに悩む。そして早期に退職するケースが多い。厚生労働省の調査では、2016年3月卒の大卒者の1年後離職率はなお高く、11.3%にも達する。
「就職四季報」特設サイトはこちら こうした状況を打破するには、3年生になってから就職を意識するのでは遅い。1~2年時から自分自身のキャリアを考えることが必要だ。そんな中、一部の大学や企業、就職関連企業は、1~2年生向けのキャリア教育に取り組んでいる。
企業研究はした方がしないよりはマシかもしれませんが、いくら企業研究してもあくまでお客様の立場なので実際働いてみないと分からない側面は必ず出てくるのです。職種・業種が合わないというのも勿論ですし、何より現代ではブラック企業が問題視されている中就職なんてくじ引きみたいなもので、私もそうですが早期離職からの転職は「くじで凶や大凶が出たので引き直す」ようなものに過ぎません。
それを「石の上にも3年」とか言って残ってしまうと、場合によっては取り返しがつかないことになるのはもはや論を待たないでしょう。
それに、いくら企業研究をして第1希望の会社に入社できたとしても、大学で勉強をせずに実力不足ならばあっという間にお払い箱でクビになるのが現代の会社です。特に技術職ですと、学校の勉強が企業での仕事の基礎となってくる場合が多いのでその傾向が強いかなと。
最近では理系だけでなく文系でも勉強させる大学が増えてきてますが、大学で勉強しないと企業の仕事で使い物にならないというのにようやく気付いたともいえるでしょう。まあ、欧米では成績が良くないと大企業には就職できなかったりするのでもっと露骨ですが…
それなのに、就職活動を1年生からさせるのは時代の流れに逆行しているとしか思えませんね。
1~2年生限定でベトナムでインターンシップ
→海外インターンシップより優先度の高いことはあるでしょう
明大は1~2年生にベトナムでインターンシップ
当日参加した学生からは、「こんな親切にOB・OGが話してくれるとは思わなかった。就活に前向きな気持ちになった」、「3時間があっという間だった。たくさん話を聞けて視野が広がった」という声が聞かれた。明治大学では1~2年生向けのキャリア教育を強化する方針を明確にしており、この2月には、1~2年生限定でベトナムで行うインターンシップを開催する。昨年9月にもベトナムでインターンシップを行ったが、16名の参加者中、10名が3年生だった。今回は20名全員が1~2年生の参加となる。
インターンシップでのミッションは、「ベトナムでマーケティング&売上拡大!グローバルビジネスを体感せよ」。現地に進出しているロート製薬の協力を得て、同社が販売するボデイウォッシュなどのマーケティングを行い、プロモーションムービーを作成する。
インターンシップそのものは否定するわけではないですが、異国の地で低学年のうちにインターンするよりも先にやるべきことはあるでしょう。ベトナムに行くからにはベトナム語・文化の学習も必要でしょうし、そもそもなぜグローバルビジネスを体験するためにベトナムに行くのかという疑問もあります。
インターン内容の例として
「ベトナムでマーケティング&売上拡大!グローバルビジネスを体感せよ」。現地に進出しているロート製薬の協力を得て、同社が販売するボデイウォッシュなどのマーケティングを行い、プロモーションムービーを作成する。
というマーケティングの仕事体験をするそうでおそらく経営学や商学系の学生向けと推測されますが、1~2年段階ですとマーケティングの理論の学習をしたのかも怪しいですし、そもそもこのインターンの内容なら日本でグローバル展開している会社でインターンで十分です。
それとも、まさかグローバル展開している会社が見つからないほど日本は衰退したのでしょうか?
まあ、大方ベトナムの異文化に触れてほしいというのが日本でなくグローバルインターンシップの狙いなんでしょうが、それならそれでベトナムに行く前に日本にたくさんいるベトナムから来た海外技能実習生と交流するのが先決かと思いますね。私も前職の農場で働いていたベトナム人と交流して多少は祖国での話も聞きましたが、そういう経験をしてからでも遅くないかと。
番外編:「キャリア甲子園」
1~2年生から参加すれば、将来の職業選択に役立つことは間違いないが、意識の高い学生ばかりで、普通の学生の参加は少ない。そこで、キャリアを意識させるには大学生からでは遅いとして、マイナビが力を入れているのが、高校生向けキャリア教育「キャリア甲子園」だ。これは基礎的なビジネススキルが身につくビジネス講座と、企業からの課題に応えるビジネスコンテストをミックスさせたプログラムで構成されている。2017年度は全国から3041名、723チームが参加した(人数は前年度比15%増)。資生堂や自民党、TBSラジオ、日本航空など、7つの企業・団体が出題テーマを提供した。
感想:
大学どころか高校生から就職を見添えたキャリア教育ならば、大学進学なんて止めにして、専門学校進学or秋山木工就職でいいんじゃないかと思いますね。
漠然大学行くよりは秋山木工での丁稚生活の方が得るもの多そうですし。
終わり
こんな感じで就職活動の早期化は、大学の学問と全く関係性がなく、勉強を疎かにするようにしか思えないので全否定します。
大学側は就職活動ばかりさせるならば、大学の認可を取り消して「就職活動専門学校」にでも改組すべきでしょう。
学生側も学生で、こんなことに夢中になる位なら退学して就活だけしておけよ!というのが私の持論です。
本記事について、世間の人はどう思っているのか意見を聞きたいと思いますので、強制ではありませんが見た人は感想書いて拡散してもらえたらなと思います。
番外編のアンケートです!
就活を1年生から始めるような大学に存在価値はあるのか?
— 笹史@社会不適合者アドバイザー (@sasashi1992) 2018年2月8日
参考サイト https://t.co/Lg7lBLeinE
追記:内定とっても、入社前研修でやっぱり学問どころではない
「入社後に社員を育成するのが企業の本来の姿」。即戦力とかいう考え方滅びろって思う。(朝日新聞2/9) pic.twitter.com/zYNsPduGZl
— Tad (@CybershotTad) 2018年2月9日
そういえば、私の弟も入社前研修ということで土曜日に会社へ研修に行っているのですが、本来は入社後にじっくり育成すべきなんでしょうね。弟の場合は名古屋での研修かつ土曜日なので授業には差し支えないのが救いですが、この記事の例では内定者研修は平日ということで卒研やゼミ≒学業に支障をきたしているのは大問題です。
平日にやる会社側の言い分としては土日は会社が休みにしたいということでしょうが、そもそも内定者は学生という身分であるというのを企業は分かっているのか?と思いますね。それとも、大学で勉強することなど役に立たないとでもいうのでしょうか。
常々思うのが、だったら高卒や中卒を取ればいいじゃんと思います。と言うと、大学受験を突破した学力のある人材が欲しいという反論が返ってくるでしょうが、それならば難関大合格を採用条件(入学辞退でOK)にして難関大の合格通知のコピーを添付させる形で採用試験を行えばいいのです。
確かに私の通った学科のようにろくに勉強もさせない温い学部・学科もあるでしょうが、きちんと社会人としての能力を付けさせようと努力している教授陣もいるはずでしょう。
参考記事:「4年間通って分かった、生物系学部に進学すべきでない理由5つ。」
冒頭の命題である、「就活に4年間費やす大学に行く価値はあるのか?」。結論から言って、私は全く通う価値はないと言わざるを得ません。