仕事で苦労しても報われないですからね。
笹史(@sasashi1992)です。
キャリコネニュースで、新入社員向けに「働くことの意識」という質問に関しての記事があって
日本生産性本部と日本経済青年協議会は6月21日、「働くことの意識」に関する調査結果を発表した。調査は今年3~4月に実施。日本生産性本部が提供している新社会人研修に参加した企業の新入社員1644人から回答を得た。
働く目的を聞くと、最も多かったのが「楽しい生活をしたい」で41.1%。この項目は2000年以降に急増しており、今回で過去最高となった。次ぐ「経済的に豊かになる」(30.4%)も過去最高を更新した。
一方、かつてバブル期を除いてトップになることもあった「自分の能力を試す」(10%)は2000年以降減少状態にあり、過去最低となった。また平成に入って増加していた「社会の役に立つ」(8.8%)も低下に転じている。
2018年春入社の新社会人「社長まで昇進したい」わずか1割 若いうちの苦労「わざわざする必要ない」過去最高に | キャリコネニュース
赤字部を見れば分かるように、働く目的としては自分の生活のためというのが浮かび上がってきます。逆に青字部のように、お金以外の目的で働くという人は少なくなってきていることが分かります。まあ、要するに働く目的は「生活するため」!という結論が出てきますが、これについては現代社会を見たら当たり前なんですよね。それについて掘り下げていきます。
お品書き
若者は「生活のため」以外に目を向ける余裕がない
まずは、コレが記事をみて感じたことでそもそも最近の世代は昔の世代より激務薄給なので「生活のため」以外で働く動機を見出す余裕なんてないんですよね。
最近は就職率がマシになったとはいえ、非正規で働いている若者も多いですし、正規社員でもブラック企業で働いていると激務薄給なので「生活」することが精いっぱいで自分の能力アップだの社会貢献だのに頭を回す余裕が無いのです。というか、ブラックな労働環境ですと、「生活するため」以前にどうやってこの環境から抜け出そうかという思考になりがちなので社会貢献とか考えるわけがありません。
そもそも新入社員の給与は安く、特に一人暮らしなんかすると家賃,光熱費,食費,交際費(会社の飲み会等),交通費(地方だとクルマ必須)が掛かります。これだけでも月20万から捻出するのは厳しく、それに加えて税金や社会保険料、年金、会社によっては謎の積み立てなんかもあるのでとても「生活」意外など余裕が無いのです。実家暮らしならまだマシですが、地方の場合は介護、接客、工場などの薄給激務な職しか無いので結局余裕はありません。
それに結婚すると、最近ではイクメンがどうこう言われたり、女性でも仕事を続ける人が多くなってきており「仕事」と「家庭」を両立させないといけない人が増えてきています。こうなると、社会貢献がどうこうでなくさっさと生活費分だけ「仕事」をして「家庭」に帰らないといけないので力を試すなど行っている余裕はやはりありません。
若者は会社はクビにならない程度に働ければいい
「生活するため」以外に働く目的を見出せないのは、昇進意欲にもはっきりと出ており
どのポストまで昇進したいかを聞くと、「どうでもよい」(17.4%)が最多。昨年度まで1位だった「専門職(スペシャリスト)」(20.3%)は16.5%に減少した。「社長」まで昇進したい人は、2008年には15.5%いたが、今回は10.3%で最低となった。
男女別に見ると、男性は最多が「部長」(23.1%)で、次いで「重役」(21.3%)。一方女性は「どうでもよい」(23.1%)が最も多く、「専門職」(21.7%)と続く。
「どうでもよい」が最多ということは、出世には全く興味がないということが分かります。確かに出世すれば給与は上がりますが、それ以上に責任と労働時間に負担がかかるので避けるのでしょう。
出世意欲のも性差が出ており、男性はそれでもまだ出世に興味が有る方ですが、女性は「どうでもよい」が最多です。ここから、女性の社会進出が進んだと言っても、それは女性が自己実現したいからというよりはあくまで生活のため仕方なくという消極的な理由が推測できます。
「専門職」が女性で2番目に多いのは、大学や専門学校でも医療系や保育といった資格系の学部学科は女性が多いことから何となくわかります。おそらく出産育児などで転職や離職を余儀なくされても専門職なら復帰しやすいというためでしょうね。
若い内の苦労について聞くと、「好んで苦労することはない」が2011年から増え続け、今回は34.1%と過去最高となった。2010年代初頭は7割から支持されていた「苦労すべき」は、現在は50%を切っている。
若いうちに苦労することがないという意見が増えているのも、「生活するため」以外に仕事をする意欲がなくなってきていることの表れでしょう。社会貢献やら成長を度外視して生活のために働くだけなら、同じ給与なら楽な方が良いに決まってますからね。
しかし出世意欲が無いとはいえ、全くのプライベート重視という訳ではありません。理由は単純でクビになっては生活が立ちいかないからです。それが次の調査から分かり、
しかし「デートの約束があった時、残業を命じられたらどうするか」を聞くと「デートをやめて仕事をする」(68.5%)が「断ってデートをする」(30.9%)を大きく上回った。ただその差は2011年以降縮まっており、私生活を優先する人が増えてきているといえる。
デートと残業なら残業優先の方が2倍以上となっていることが分かります。デートは私には縁がありませんが、それはそうとデート(プライベート)より残業(仕事)を優先するのは残業は上司(会社)の命令なので断るとクビになるかのせいがあるからでしょう。いいかえればクビにならないための行動はとるけれども、仕事の自主研鑽といった上昇するためのことはしないとも言えます。
終わりに:働く目的で「生活するため」を強要してくる会社からは転職を
ここまでの結論として若者は、仕事の目的として「生活するため」以外に目を向ける余裕が無く、会社で上昇精神で仕事をしている訳ではないというのが分かります。しかし、これでは必然的に仕事へのモチベーションが低くなる訳で会社側としたら堪ったものではありません。
具体的には、出世意欲も無いので自主的に勉強もしないし、サービス残業等をさせたら労基署に訴えられてそそくさと転職してしまう訳で会社側としては困った事態になるので、何とかして「生活するため」以外の目的で仕事をさせようとしてくるわけです。
一番わかりやすいのは、やりがい搾取でしょうか。「やりがい」を前面に出すことで、ブラック労働を覆い隠せますから。他には、「経営者目線を持て」だったりというのもあるでしょうか。
もっとも、あの手この手で「生活するため」以外の目的で仕事をさせようと企業サイドはしてきますが、それは企業がサービス残業や成長するためといった名目のパワハラ全て労働者側に不利なことをさせるのが魂胆です。労働者と企業側の利害は全て対立しますが、これも労働者側が不利になるだけなので労働者側は乗ってはいけません。
場合によっては転職をして「生活するため」というモチベーションで働けるホワイト企業を目指すべきでしょう。とはいえ、ホワイト企業は無料で求人を掲載できるハローワークでは見つけづらいのが現状なので
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このような就職サービスを使ってやりがいだの押し付けられず「生活するため」以上に働くことを強いられない企業を目指すべきでしょう。