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感想:THE@TER GENERATION 05 夜想令嬢 『昏き星、遠い月』

ミュージカル風味な作品となっていますが、そのシナリオは...

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『THE IDOLM@STER MILLION THE@TER GENERATION 05 夜想令嬢 -GRAC&E NOCTURNE-』を視聴しましたのでドラマパートを中心に感想を書いていきたいと思います。

 

 追記:2019年1月に聞き直したところ、分かっていなかったところが多々あるので詳しく書き直しました。それでも伏線らしきものだけ張っておいて、明かされなかった謎も多いですが... 

 

 最初よりは印象はかなりよくなりましたが、劇中劇のドラマCDとして初見で本ドラマの出来だとアイドルの魅力を見出すのは難しいですね。かといってオリジナルだと、単なる尻切れトンボな謎演劇ですしミリシタドラマCDの中では評価はあまり高くないままです。

 

お品書き

 

 概要

01. ドラマパート『昏き星、遠い月』/『Prelude』

02. 昏き星、遠い月
作詞:BNSI (青木朋子)・松井洋平 作曲・編曲:伊藤 賢

03. ドラマパート『昏き星、遠い月』/『再会、強襲』

04. ドラマパート『昏き星、遠い月』/『大切なもの』

05. ドラマパート『昏き星、遠い月』/『誇り』

06. ドラマパート『昏き星、遠い月』/『ひかりさす』

07. Everlasting
作詞:青木朋子・久澄春人 作曲:shilo 編曲:佐野宏晃

08. ドラマパート『昏き星、遠い月』/『Overture』

リリース情報|アイドルマスター ミリオンライブ! THE IDOLM@STER MILLION LIVE! | Lantis web site

 

登場人物の考察

 エドガー役:所恵美

 主人公その1。1人称はオレですが、性別は女であることがクリスがドレスを着せようとする場面で判明(ゲーム版ではシチュエーションが異なるらしい)。楽園(本人曰く「約束の地」)を目指していたそうですが、結局楽園にはたどり着けていないというのが示唆されています。

 

 途中でルカに襲われクリスに救命と引き換えにヴァンパイアにされた後では、刺されない限り死ねないので「約束の地」には行けないままです。アレクサンドラと対峙する場面で「俺たちは生きたい(行きたい)!」「ヴァンパイアだって幸せになっていいはずだ!」と『碧い星、青木』叫んで「人を襲わないから」という信念でアレクサンドラから見逃してもらったのが彼(彼女)の運の尽きだったかもしれません。

 

「人を襲わないから」という信念は作中では演じている恵美の信念ともリンクする部分は有りますね。

 

というか本ドラマパートは楽園にたどり着けたといえるのが、メイン4人中1人しかいないというバッドエンドor謎の残る展開となります。ミリシタドラマでこれほど結末自体に謎が残るドラマは他に有りません(ラスト・アクトレスは、謎は多いものの一応結末ははっきりとしていますし)。

 

クリス役:天空橋朋花

 主人公エドガーと出会う見た目は10代の少女(だが実は男性らしい...がCD中では明かされません)で実はヴァンパイアで100年以上も生きています。ヴァンパイアになった経緯は作中では結局明かされませんでした。ミリシタ感謝祭のイベントのパンフレットでは、統領候補のヴァンパイアに誘拐されたうえで成長を止めるためにヴァンパイアにされたという過去が明かされています。

 

 100年以上も生きている割に、どことなく世間知らずなところがあるのは党両候補のヴァンパイアに隔離されていたせいでしょうね。

 

アレクサンドラ役:二階堂千鶴

 妹であるノエルをエレオノーラにヴァンパイアにされた上、エレオノーラに娘を人質に「ヴァンパイアハンター」としての能力を見出され半強制的にヴァンパイア討伐を名ざれます。討伐しようとして、見逃したクリスから真実を知ったことで激高しエレオノーラを倒すまでは王道的なヒロインです。

 

 しかし、そこからお尋ね者に転落して国中から追い回されている上、ノエルがヴァンパイアであることを知らないという報われなさと劇終了後の一寸先の闇感がすざましい登場人物です。

 

 一応立ち位置としては主人公2ですが、何一つ報われている感が無いのでかなり冷遇感がありますね。「考えるな…」と苦しみながら「ヴァンパイアハンター」としての任務を果たそうとする場面が印象的でした。

 

 エレオノーラ役:百瀬莉緒

 本ドラマの悪役で、またの名を「辺境伯夫人」と言います(実はヴァンパイアでクリスからその真実を聞いたアレクサンドラから殺されます)。唯一楽園にたどり着けたことが示唆されており、悪人であるけれどある意味報われた人物です。と言っても独白(「ひかりさす」)で、自身も夫と娘を殺された被害者でもありますけどね… 

 

 ヴァンパイアとして疑われた挙句家族を殺された人間への復讐のために、ヴァンパイアの国を建国すべく優秀な血統のヴァンパイアだけを残して淘汰すべくヴァンパイア狩りを行うのが本来のエレオノーラの行動原理のはずです。しかし、劇中では人間への復讐という動機を忘れ去っていてヴァンパイア狩りに取りつかれていました。そのため自身がヴァンパイアなのに同族を淘汰のために殺すということからアレクサンドラの憤怒を買い、殺されてしまいます。結果として、「約束の地」に唯一行けた?登場人物となりますが。

 

 

感想:全般的なもの

 ◎終わり方に関しては、多くの人が指摘している通りハッピーエンドというよりバッドエンドないしは想像オチとなっています。終わり方に関する賛否は人それぞれですが、個人的にはドラマパートを聞いてスカッとする代物でないのは確かです。

 

◎主人公が実質2人いて、それぞれの展開が1シーンを除いて直接交わらないので話が分かりにくいですね。娯楽それもキャラ物のドラマパートなのに割と集中しないと理解しづらいのはマイナスかもしてませんね。

 

◎エドガーの涙もろさが原作所恵美の涙もろさが反映されていたりと、原作の特性は発揮されていると言えなくもないです。

 

シナリオの考察というより感想

Prelude

 クリスティーナの「この旅が始まった日のことをはっきりと覚えているのです」というモノローグが最初に挿入されることから、本劇(クリス・エドガーパートは)は本編終了後にクリスティーナ回想がする形式で進行しているというのが推測できます。最初に回想しているシーンがあること自体を、初見で聞いて感想を書いた時は頭が回らなかったです。

 

再会、強襲

 クリスとエドガーの再会場面で、クリスが妙にお気楽なのはクリスの世間知らずさの表れだったんですね。初見でいかにまともに聞いていなかったか...

 

 

大切なもの

 エレオノーラが、血を吸っているのはヴァンパイアでなく貴族と言った旨の場面ですが…国の腐敗が癌でヴァンパイアはスケープコートに過ぎないんではという現実日本社会にもつながる邪推をしてしまいました。

 

 エドガーがヴァンパイアになってしまうきっかけとなる、ルカとの闘いですがルカというのは腐敗した大人たちに飲み込まれてしまった人物の象徴であるなぁと思いましたね。

 

誇り

 「どうして俺たちを殺そうとするんだ!」「ヴァンパイアだって幸せになっていいはずだ」という名言連発な、実質クライマックスな場面です。アレクサンドラがヴァンパイアハンターとしての任務を果たそうとする場面で「考えるな…」という言葉はヴァンパイアは悪くない、悪いのは腐敗した世の中だという思想が根底だったののだなと今になって思いましたね。

 

 アレクサンドラはエドガーとの立場の違いこそあれど、思想としてはエドガーに通じるものがあります。だからこそ、人を襲わないとことを言明させてエドガーとクリスを逃がしたわけですし。

 

ひかりさす

 誰が幸せになったのだろうかという後味の悪いエピローグです。王制を倒すという根本にたどり着かず、ヴァンパイアと人間がプロレス&「約束の地」へ向かうという現実逃避の末路とも言えますね。。

 

 

総評(2回聞いて想ったこと)

 初見よりはシナリオが把握でき、ある程度の考察ができましたがそれでも本編で説明されていない部分が多く物語の全貌はつかめないままでしたね。私の読解力が不足しているせいも多少あるのでしょうが、他のブロガーさんの感想を聞いても謎が多い,良く分からないといった感想なのでシナリオの多少なりとも欠陥があるのは否めません。

 

 最もミリシタドラマCDとしては一番初発で経験値が少ないという点は擁護でき、その後のCDドラマは分かりやすい話になっているので書き直してリメイクしてくれればもう少し評判は変わるんじゃないの?と思ってしまいました。