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安倍政権を倒すだけでは何も変わらない~『問題は右でも左でもなく下である』感想

安倍政権を倒すだけでは本当に何にも変わらないと思います。

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適菜収氏の新刊(といっても半年以上前ですが)である、『問題は右でも左でもなく下である』を通読したので感想を書いていきたいと思います。

 

 お品書き

適菜氏への誤解を解く~安倍批判の真の目的は?~

 適菜収氏と言えば、安倍・橋下批判で有名な言論人(本人は作家・哲学者と自称)とされています。安倍批判の本をすでに3冊出版しております。

 

私自身も本記事より1年以上前に、失格総理、安倍晋三~安倍でもわかる政治思想・保守思想書評~ において 安倍批判を行っている適菜収氏の著書を2冊(保守思想および政治思想)紹介したことがあります。詳しくは該当記事に譲りますが、要約すると「安倍は保守を自称しているがその言動や政策からは保守ではなく、ウルトラスーパー左翼でしかない」という主張です。

 

私も確かに安倍は保守ではなく、左翼であるなと同意したものです。まあ、的外れな批判として左派の一部の人たちが安倍は右翼いや極右だって主張していますがこれは表面的な発言しか見ていない証拠と個人的には感じます。

 

本書はここ数冊続いた、安倍というワードからタイトルになっていることから分かる通り安倍批判がメインではありません。ついに適菜収氏も安倍には匙を投げたのかと一瞬思ったのですが、真実は違いましたね。そもそも氏に取って安倍批判は手段に過ぎなかったのです。

 

私は政治の専門家ではありません。元々近代大衆社会の仕組みに興味があり、それを考える上で現在の政治状況を題材にしているだけです。安倍政権に関しては、『安倍でもわかる政治思想入門』『安倍でもわかる保守思想入門』『安倍政権とは何だったのか』の3冊の本にまとめました。これも、安倍個人を批判したり揶揄することが目的ではなく、ああいうものを生み出してしまったわれわれの社会について考えるためです。

『問題は右でも左でもなく下である』p19-20

 適菜氏の主張は全て、「どうして安倍のようなものを生み出してしまったのかその社会について考えていく」という1言に要約できるでしょう。安倍批判の前には橋下批判や、小池百合子の批判本なども出版していますが

 

 根本的な主張は同じでしょう(おい、小池!は未読ですが)。

 

なので、安倍本人やその側近、支持者だけでなく適菜氏の批判は容赦なく反安倍の「花畑左翼」に対しても、安保法制問題の件で安倍支持の自称保守と同類であると批判しています。

これに対して、左翼の多くは、集団的自衛権の行使の是非に問題を矮小化し、「戦争反対」「9条を守れ」などと本質からずれたことを言っていた。安保法制問題の本質は、時の政権がルールを都合よく変えたという点です。 p32

この時の左翼は安倍政権は9条と平和を脅かす右翼だ、だから反対しなければという問題に矮小化しております。

 

これに対して適菜氏は安保法制の問題点は9条や平和の問題ではなく、「あくまで集団的自衛権を現行憲法の枠内で行使できるか否か(p30)」であると主張しています。なので集団的自衛権に対しても、反対賛成か以前に合憲であるかがまず重要でそれをすっ飛ばした賛成派である自称保守に対しても批判を行っています。

 

つまり、安保法制の問題1つ取っても左翼も自称保守もピント外れな意見を主張していると言えます。その成れの果てが、安倍さんは保守だ!という自称保守と安倍政権は右翼(極右)と主張している左翼です。残念ながら(少なくとも安倍に関しては)右左の問題ではありません。

 

安倍政権も3選されたことですし、当分安倍政権が続くのでしょうが、政権が続こうが何かの拍子で退陣しようがピント外れな批判と擁護がおこなわれるのでしょう。

 

結局、適菜氏が大衆の社会を分析し「安倍的なもの」を見出しているのは政権が変わろうがこのようなピント外れな連中がいるのでは何も変わらないというのを見抜いていたのでしょう。私も政権発足時から安倍政権不支持でしたが、適菜氏程の洞察力が無く民主党に戻せばいいやと位に楽観的に考えてきましたからね。

 

いっそのこと暫く安倍政権が続いて、何がダメなのか右も左も冷静に考えてみればいいんじゃないかとすら思えてきます。

 

本書で何が「安倍的なもの」なのかそれをどうすればよりマシになるかを考える材料として、ご活用ください。「安倍的なもの」を解決できない限り、あなたは右でも左でもなく下であることを逃れられません。