The ブログ

アイドルマスター・ラブライブ!他社会不適合者向けコンテンツを扱います

THE@TER BOOST 02「オーディナリィ・クローバー」感想

THE@TER BOOSTシリーズの第2弾が発売されたので、感想を。今回は、シナリオ上前作の超ビーチバレーよりも心情描写重視なのでそこを重点的に取り上げます。

 

f:id:sasashi:20181027234634j:plain

お品書き

 

 

本CDの概要

 

THE@TER BOOST!なので、登場アイドルは事前に投票で決定されていますがそれ以外はMILLION THE@TER GENERATIONと同じく曲とドラマパートの2部構成となっています。超ビーチバレーと異なり、前半後半と別れておりエピローグまで付いてきますので途中で区切って聞くのも便利です。

 

01. ドラマ『空猫珈琲店へようこそ!』/『プロローグ』

02. オーディナリィ・クローバー
作詞:松井洋平 作曲・編曲:菊池達也
歌:桜守歌織 (CV.香里有佐)、最上静香 (CV.田所あずさ)、望月杏奈 (CV.夏川椎菜)、百瀬莉緒 (CV.山口立花子)、宮尾美也 (CV.桐谷蝶々)

03. ドラマ『空猫珈琲店へようこそ!』/『前編』

04. ドラマ『空猫珈琲店へようこそ!』/『後編』

05. DIAMOND DAYS
作詞:rino 作曲・編曲:高田 暁
歌:桜守歌織 (CV.香里有佐)、最上静香 (CV.田所あずさ)、望月杏奈 (CV.夏川椎菜)、百瀬莉緒 (CV.山口立花子)、宮尾美也 (CV.桐谷蝶々)

06. ドラマ『空猫珈琲店へようこそ!』/『エピローグ』

リリース情報|アイドルマスター ミリオンライブ! THE IDOLM@STER MILLION LIVE! | Lantis web site

 

感想というか率直な印象

役名≠アイドル名の法則について

今回は役名とアイドル名が一致してないので、最初に説明しておきますと

一夏:歌織  二葉:静香 三奈:杏奈 遊利(男性):莉緒 ミャオ:美也

シッポ:志保 菜々子:美奈子 となります。

 

役名とアイドル名が一致しないのは、ミリシタドラマでは4Luxury 以来ですが最初にす考察しておきたいと思います。ちなみに4Luxuryとの違いは4Luxuryではメインの4人はアイドル名の読みを当て字にした役名ですが、今回はメインの5人でも原型をとどめてない役名(二葉)もあるのが違う所ですね。

 

巷で、少なくともミリシタでは恋愛絡みの話になると役名にアイドル名を使わないということを聞いたことがあり、今回も恋愛がテーマの1つとしてあるのでその法則に乗っ取った形になりますね。恋愛ものでアイドル名そのままですと、2次元とはいえ恋愛はご法度なアイドルのイメージに関わってきますからね。

 

アイドル名が原型を全くとどめていない話は「夜想令嬢」がありますが、こちらはエドガーとクリスの恋愛的描写があるのに加えて西洋的な世界観的で恵美とか朋花という名前を使う訳にはいかないので妥当でしょう。最もSFな世界観である、「EScape」では役名=アイドル名(世界観上カタカナですが)で恋愛要素は無かったので恋愛があるか否かがアイドル名=役名となるかの重要な分かれ道でしょう。

 

結論としては、アイドル名≠役名なのは現代が舞台で恋愛ものではない「閃光☆HANABI団」や「Cleasky」といったばあいで、恋愛絡みですと「夜想令嬢」や今回のように役名≠アイドル名となるということになります。

 

ドラマパートの感想的なもの

 ◎CDジャケットからはほのぼの日常物をイメージするかもしれませんが、実態は一夏と悠莉の恋愛もの+進路話のシリアス系なお話です。恋愛要素が話のメインとなりかつ歌織が主人公なのは、4Luxury以来となります。イメージとしては、4Luxuryからメイン以外の恋愛関係をオミットして妹(二葉)進路話を絡めてきたと感じです。

 

◎話の出来は良く、終わり方もナレーターも兼ねる猫ミャオがいうようにHappy Endで終わったので特に不満はないです。最も、ミリシタドラマはBadともとれるぼかした終わり方の「夜想令嬢」は例外としても総じてHappy Endなのですが。

 

◎シチュエーションは異なり全員参加と投票による選抜の差とは言え、歌織が恋愛ものの主人公なのは数か月前の4Luxuryでもやったので、少し食傷気味なのは否定できません。なので次があるならば、恋愛要素が無い話での抜擢を望みます。

 

◎前作の超ビーチバレーと異なり現実にはあり得ない描写は無くシナリオも「二葉の夢(音楽科進学)を叶えるために、悠利を一夏とくっけたい。そのために三奈とミャオ・シッポが奮闘する」という分かりやすい流れとなります。そのため、メインは登場人物の心情描写なのが全体の感想です。

 

 

  気になった点+考察(ネタバレ注意!)

一夏(歌織)

長女で空猫珈琲店のオーナーでもある、明言はされてないものの本話の事実上本作の主人公となります。次女である二葉がピアノの勉強をミリオン女子学院(前作の海理音高校とは多分別物)の音楽科に進学したいのを見抜き、応援しようとするものの店のために近くの高校に通うと言い張る二葉と対立することとなります。

 

二葉の一夏へ反抗的になっていた真相は、その前の二葉が「一夏が寂しがり」だからというのが本音で店云々は建前でしかありません。なぜ寂しがりやなのかは、おそらく終盤のミャオが溺れて悠利が助けた後に、一夏が「(父と母に続いて)大切なものを失いたくない」と悠利に泣きつく場面から父と母を事故で失ってためと思われます。

 

それを除けば王道な恋愛物の主人公で、ツッコミどころの少ない人物ではあります。ただ、冒頭であくびをして登場したのだけは驚きですが。歌織のパーソナリティの反映でしょうか?

 

二葉(静香)

音楽科の高校(ミリオン女子学院)でA判定を取る位のピアノの実力を持ち、一夏からは進学を応援されているものの本人は店を守らなくてはという理由から受験しないという、今回のシナリオの全てのきっかけと言っていい登場人物です。

 

しかし、音楽科を卒業後の進路に関しては多少疑問が残り、あくまでピアノを勉強したいだけなら音楽科など行く必要はありませんので二葉の言い分に分があります。父と母を亡くしているのですが、私立の音楽科は学費が高そうですがそれに関しての疑問も残ります。まあ、ドラマなので野暮な突っ込みですが。

 

メタな視点から見れば演じている静香がアイドル活動を家族に否定的に見られている(コミカライズでは掘り下げあり)ことから、周囲から夢を応援されるも自分で勝手に芽を潰そうとしている二葉は演じている静香が周囲から夢を否定されることとの対比と取れます。最も、静香も親の否定に本気で逆らおうとしているのかは疑問で、親の否定にどう対峙するかだけで同人誌いやアニメのメインテーマになります。

 

三奈(杏奈)

猫と喋れ、シフォンケーキを作れる3女です。猫(ミャオとシッポ)と喋れることで、本ストーリの中核をなす悠利と一夏をくっ付ける作戦の実行部隊役となります。

 

しかし、個人的に今回書きたいのはそこでは無くて「ゲームと偽って、菜々子にふわとろオムライスを教えてもらい特訓」という場面です。序盤では一夏と二葉の進路の言い争いで、喧嘩しないでと受動的なのものでした。

 

しかし、オムライスを特訓する場面では三奈も悠利にだけ期待するのではなく自分なりに安心して送り出したいという想いと成長が描写されて良かったです。「二葉が東京の高校に行くかもときて寂しかったけど..」というのはまさに成長の台詞と言えます。

 

悠利(莉緒) 

ミリシタのドラマパートでメイン登場人物の男役は夜想令嬢でのクリス以来ですが、クリスと違い実は男の娘...ではなく始めから男性として登場します。

 

莉緒演じる悠利は本当にイケメンで出来た人物で、器が大きい人物なのですが一夏共々「一夏に会ったら何を話そうか...」と考えるものの何も話せなかったりと一夏を昔から意識していた節は見られますね。

 

仕事の都合で、最近東京から地元(本ドラマの舞台)帰ってきたそうですが、東京→地元ということで夢を追って地元→東京へ行こうとする二葉との対比になっています。東京というのはフィクションでは夢の象徴だったりしますからね。

 

実は仕事の都合というのは口実で、夢破れて帰ってきて寂しいので一夏を求めたという考察も出来ます。もしもそうならば一夏も、(父母が事故で死んだことが大きいと思われますが)寂しがりなのでお互いを求めあったという話になります。

 

ミャオ(美也)

基本的に猫なので部外者ですが、「空猫珈琲店」でご飯をお世話になっていることから「一宿一飯」の恩義を感じ一夏や二葉の問題に協力することになります。二葉の問題の解決のために二葉に代わって料理が出来る人を探すという策を、実行は三奈とはいえ考えついたことから相当頭の切れる猫であるのは確かです(というか、そうでないと話に絡ませられないからでしょうが)。

 

とはいえ美也の性格が役にも反映されているのか泳げないことに溺れて初めて気づいたりと抜けてる場面もあるのはご愛嬌でしょう。

 

まあ、溺れることで結果的に悠利が一夏を抱き締めるというミャオたちが望んていた展開になったので結果オーライですが。シナリオ上助かるのは見えていましたが、溺れ死ななくて良かったと少し安堵しましたね(夜想令嬢みたいなbad end寄りなパターンもあり得ますが今回はテーマ的にはないでしょうし)。

 

 シッポ(志保)

基本的に脇役ですが、原作の志保の性格を反映してミャオと比べて愛想の無さが特徴で空猫珈琲店の少なくとも二葉からは「元々愛想のない性格云々」と言及されています。ミャオよりは頭が切れます。

 

菜々子(美奈子)

シッポ同様の二葉を迎えに来たり、三奈に料理(ふわとろオムライス)を教えて特訓に付き合ったりと便利な登場人物です。次女役で静香の次点だったための出演ですが、美奈子が次女役なら絶対に調理科進学を巡っての話になるんじゃないかと勝手に思いましたね。

 

総評

 ビッグバンズバリボー!!!!!同様非常に良質なアイドル物のドラマパートで、原作の登場人物の性格が反映されていていたりとシナリオ以外にも楽しみが多かったです。この文ですと、次回の劇場サスペンス『ラスト・アクトレス』も期待できます。

 

 

 ←THE@TER BOOST 01