今日、行く価値のある学部って限られていますね・・・
大学進学のユニバーサル化に否定的な笹史(@sasashi1992)です!
昨日書いた、
「教育無償化」に反対します!~「身銭」を切って「学ぶ」という覚悟
という記事に関してかがくし (id:chemist7bachelor)さんより
はじめましてかがくしと申します。
先日は、はてブありがとうございました。
私も教育無償化には大反対です。
そもそも学校に行くのは子供たちが知識を習得したり、研究したりするなどの教養を得るためですよね。もう日本人は十分頭の良い人が沢山いると思うんです。大学への門を開けたところで、大学の質が落ちると思いますし。それで財源が配偶者控除の撤廃?少子化政策でもしたいのですかね。
教育どうこうの前に生徒がいなくなりますね。
言いたいことがありすぎてこれ以上書き続けると
コメントなのに1つの記事が出来上がってしまいそうなので、これぐらいにしておきます。
というコメントをいただきました。コメント自体には同意で、特に青字部に関してはまさに昨日の記事の核心となる部分であります。
しかし、昨日の記事でも
という案を出しました。「かがくし」さんは大学では化学を専攻していたそうですが、このような系統の学問はまさに昨日言及した『独学で勉強が困難で、就職後に社会に貢献度の高そうな学部』という条件に当てはまっています。
化学系以外にも、『独学で勉強が困難で、就職後に社会に貢献度の高そうな学部』の系統の学問は幾つかあり、そのような学部でしたら、「教育無償化」までは行かなくとも貧困層で優秀な方(旧帝大level)に限定して学費の大幅な軽減を認めるべきと考えます。
以前、
では大学に行く価値のない学部を紹介しました。本記事はその対として、今回は国が奨学金を出すべきで、奨学金制度が整備されなくても奨学金機構から借金しても行くべき価値のある学部を紹介します。
お品書き
1.理工系学部(但し学科指定有り)
ア.なぜ、『学科指定有り』なのか?
私は、理工系学部(農学部除く,学費稼ぎ&実務を兼ねて農場か食品工場で勤務すれば良し)に関しては大学進学が経済的に困窮するなら「無償化」とはいかなくとも大幅な学費軽減を認めるべきと考えます。東京大学クラスの大学の成績優秀者なら昨日の記事の主張と逆になりますが、全額免除=「教育無償化」でも良いくらいです。
ただし、理工系に関しても全ての学科に学費軽減を認めるのは反対です。また、いくら理工系でもあまりレベルの高くない大学(現行で偏差値50以下)に関しても学費援助を行う必要は有りません。Fラン大学ですと、工業高校と同等の就職先しかないと見込まれるためです。
理工系でも学費軽減を認めるべき学科の条件は、『研究が実験を伴い、実験機器が個人で用意できない』という学問系統に限定すべきとします。個人で実験機器を用意できない=独学が不可能であると判断されるからです。詳細については、次項で説明します。
イ.理工系で独学できない学科詳細
A.化学・応用化学系
本日、本記事を書くきっかけとなった、かがくしさんも化学系出身ですね・・
化学系は、以下のように地方勤務が多いイメージです。最も自分も三重県と十分地方ですが。就職説明会でも、三重県の化学系ですと四日市のコンビナートor伊賀の工業団地勤務が多く後者ですと電車どころかバスもなく自動車通勤決定という労働者には最悪の立地です。大学も化学系に分類されなくはない学科でしたが、化学系の企業に行きたくないのは「地方勤務が嫌」だからというのが大きいです。景気が良ければ、理系より文系が人気だそうですがお気持ちは分かりますね。
あと、首都圏に住んでいる人に聞きたい。
化学系の人間に会ったことありますか?
恐らくほとんどないと思う。
理由は殆どが工場のある地方に飛ばされるから。
これかなり重要。メディアにもなぜか報道されません。
なんで?私激おこぷんぷんよ。報道せえよ。知らなかったわ。
高校生のみんな、楽だから生物系・化学系に行こうとかはホントダメ。ゼッタイ。
行けるなら情報・機械・電気のどれかに行こうね。
と散々な言われようですが、化学系自体は独学が出来無い分野で大学進学が欠かせない分野です。
化学の研究には実験がつきものですが、実験に必要な試薬を個人で手に入れるのはほぼ不可能です。試薬を手に入れても安全面を確保するための実験スペースも個人では費用的にも安全性的にも到底作れないので、必然的に組織に属して研究を進めることが必須となります。情報系のフリーランスはごまんといても、化学系でフリーランスが皆無なのはこのためでしょう。という訳で、化学系の学問を研究する場合は大学に進学が必須となります。独立志向の強い方には不向きな学部No1ですね。
この点はバイオ系(生態学等フィールドワークを除く)も同様ですが、バイオ系は農学部と就職先が似通ってくる上専門を生かせる職が少ないので、進学は慎重になるべきでしょう。バイオの勉強自体は、複雑な数式とか無いので大型書店で専門書を購入すれば事足りますし。
B.機械・電気系
化学・応用化学系(とバイオ系)と理由はほぼ同じで、実験設備が個人で用意するにはコストが高すぎるので大学進学が必須となりますね。ただ、機械いじりとか電気いじりは化学実験と異なり独学が出来る範疇です(多分)。
後は、研究開発はともかく機械分野の設計職なら文系からでも一応は行けます。私も農学部から機械CADオペレーターに就職できましたし(辞めましたが)。ただ、電気設計が文系OKの所は聞かないので、機械工学と電気工学で迷ったら、私なら電気を勧めます。
↓ 文系エンジニアの実態
文系でもエンジニアになれます~機械設計・プログラマーのお話~
「職業訓練校」を卒業しても中小零細or派遣会社しか行けません~文系エンジニアへの警告~
機械工学と電気工学で迷って決められなかった人向け
後は、物理学とか土木建築あたりも独学では難しいと言えば難しいですが、前者の理論系は独学&研究は教授にダイレクトに弟子入りという形で、後者の学科を卒業した代表的な就職する職種である施工管理は営業同様コミュ力勝負で、設計はポリテクでも学べるので大学に行く必要性は無いです。
2.医療系学部
本項で定義する医療系学部というのは、医学,歯学,薬学(6年制,4年制の方は化学・応用化学系に準じます)の学部です。看護やコメディカル系は専門学校で安上がりに免許を取りましょう。
大学に行く価値うんぬんより、大学に行かないと国家資格の免許すら取れないので行く他ないという現実ですね。
正直な所、臨床医師とかに研究能力は不要ですし、実際研究がカリキュラムに取り入れられてないことから、医師・歯科医師という専門職を育成する専門学校でいい気もしますね。なので、大学である意義が一番不明な学部でもあります。薬学部では一応卒業研究があるそうですが、国家資格を優先させて成績下位の人には研究させないとかいう所もあると聞いたことが有ります。
3.講義科目は、テスト以外全廃でいいのでは?
そして、理工系や医学系にしても単純な講義科目は全廃すればいいと思います。講義を全廃して、学力の担保をどうするのかは『半期ごとのガイダンスで、テスト範囲を予告し推奨書籍を紹介して独学させておく』という手段を取ればいいと思います。
講義全廃で、講義室や非常勤講師のコストを減らせて授業料値下げに繋げることが出来、貧困層でも大学に進学できるようになります。講義を全廃すれば、学生実験・実習を詰めて実施でき、就学期間も短縮できます。結果的にさらに授業料総額も減らせ、貧困層(以下同文)
根本的な解決法はコチラ→親を捨てるべきと感じる理由とその方策~12歳みんな大人法が切り札~
という訳で、大学に行く価値のある学部について考えました。
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