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4年間通った経験者が生物系学部に進学すべきでない理由を5つ語る!

4年間農学部という正真正銘の生物系通った最大の教訓はこれですね

「生物系への進学は、時間と金をどぶに捨てるようなものだと」

 本記事には、生物系学部関係者特に中部地方某私立農学部関係者に不愉快な記述がありますのでご注意ください。

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大学進学率が5割を超えてくる中で大学進学においてバイオサイエンスやバイオテクノロジーに興味を持ち、生物系学部に進学を希望する学生は後を絶ちません。私も、電気工学や機械工学ではなく生物系学部に興味を持ち進学してしまいました。だが、卒業から数年たつ今、この選択を後悔しています。

 

何も、別に生物学に興味がないことに気づいたという訳ではありません。

それではなぜ、生物系学部への進学を後悔したかというと、「教育」「研究」「就職」の面で致命的な問題点を在学中より感じ、卒業後数年を経て確信に変わったからです。

 

そこで本記事では、生物系学部への進学を在学時の経験から進学を思いとどまるべき理由を「講義・学生実験」「研究」「就職」のそれぞれの側面から合計5つ語っていきたいと思います。

 

*生物系学部の定義としては、本記事では工学部生物工学系,理学部生物学科,農学部,生命科学部および類似の学部とする。生物を学ぶ学部でも、医学部等医療系の資格を取得できる学部は該当しない。

 

お品書き

 

1.「講義・学生実験」面での問題点

生物系学部には「教育」面で、理系の双璧をなす筈の理工系学部に次のような点で大きく劣っていると言え、これから語る問題点の全ての元凶と言っても過言ではありません。

問題点1:自然科学(物理,化学,数学)の基礎を教えず、生命現象を暗記するだけの教育が行われている

大学に限らず教育機関には必ず教育目的というものがありますs。

 

生物系学部の場合、教育目的は生命現象の解明およびその応用です。

 

どの学部でもそうであろうが、大学で教育目的を達成するにあたっては、高校までの学習内容の理解が重要であるのはいうまでもありません。建前としては高校で履修すべきあらゆる科目が重要とはされているものの、現実的には学部によってどの科目を深く理解すべきかは異なります(だから高校生活の途中で文理選択が行われているのだ)。教師は、受験に関係ない授業も大切にしろというがまずは受験科目を固める方が大学進学後の学習としては重要であります。

 

さて、生物系学部の最重要科目は何でしょうが? 生物系学部という位なので、当然「生物」であろうという諸君は残念ながら、大学生物学を学ぶ資格はありません(一般教養は別)。

 

 理系の学生(医療系除く)ならこの有名な言葉をご存じでしょう。

大学では、生物は化学、化学は物理、物理は数学、数学は哲学になる

 初出は不明だが、大学生活を送る中でこの言葉は概ね正しいとは言えます。そう、生命現象を理解するためには、化学,物理,数学が必要不可欠なのである。例えば、光合成を本質から理解するには量子力学が、神経伝導を理解するには電磁気学が必要です。それ以上に重要な生体反応の理解には、有機化学の知識が絶対に必要です。

 

ところが、生命現象を理解するのに必要な筈の物理学,数学は私の大学も含め選択科目であることが大半です。ですので、大学で物理学を履修せず、高校で生物選択をした学生に関しては独学でもしない限り中学レベルの物理の知識しかありません。

 

流石に、化学に関しては一般化学の講義こそ必要最低限はあるものの、生物学の土台となる有機化学や物理化学(熱化学)、量子化学に関してはお粗末な限りでろくに講義が開講されていません。

 

私の学科では一応有機化学の講義は必修科目として存在し単位も取得したものの、教科書すら使わず板書を何となく写して、多くの学生が再試験→再履修という限りであった。

 

そのような有様なので私も含め有機化学の単位を取っても有機化学の理解を真にしているかと言えば否です。担当教授は「大学は勉強の場ではない。学問の場である」という言葉を発したが、それ自体には100%同意するが、このような基礎科目で教科書を指定しないのは流石に問題であると思う。

 

 ちなみに、有機化学の講義であるが具体的に進んだ範囲は「化学結合」から「求核置換反応・脱離反応」と極めて初歩的で、有機化学の標準的教科書「マクマリー有機化学」の3分冊の1冊目すら終わらない位しか学ばない。

 

 

 さらに曲がりなりにも開講されている有機化学と異なり、物理化学に至っては開講されておらず、(他学科では開講されていたので)ある講義で「本学科で物理化学の講義が開講されてない残念である」という趣旨のことを教授が語っていたのが記憶にありません。同じ学部の農芸化学科(仮)には、有機化学の授業も4単位+生物有機化学という生物化学との融合科目があったのとはえらい違いです(悪い意味で)。

 

このように物理学や化学の基礎的な分野をろくに習得せずに、専門科目を履修するのであるが、専門科目においても教授陣も物理的・化学的背景を無視した講義が行い、仮に物理的・化学的背景が登場しても学生はろくに理解できないため、試験においては必然的に講義内容を暗記したものを吐き出すだけに終わってしまうのです。もちろん、物理的・化学的理解を問うような試験は殆どなかった(私が所属した研究室の科目である、土壌学は例外であったが)。出題内容を教えるとかいう科目すらあり、そういう考えは好きではないという同期がいましたが今は同感ですね。

 

結果として、生命現象を本質的に理解している学生は極少数でした。

 

さらに、講義に教科書が採択されずプリント学習や板書を写して暗記するだけというものが多かったことも生命現象を暗記するだけの教育に追いに打ちをかけました。

 

専門科目、殊に、生命現象という自然科学の応用的内容の専門科目を理解するにはアンチョコ本ではなくしっかりとした専門書での学習が必要なはず(Cellとか)であるが、自主的な学習に任せるという名目の為か教科書の指定は殆ど行われませんでした。

 

本来であれば、

 のような専門書を使わないと専門科目を修めたとは言えません。アルバイトしている学生も多かったですが、アルバイトの使い道でこのような本を買う学生は私が見た限り皆無でした。

 

理工系学部では、専門科目において教科書を使うのが常識であり、私の弟も工学部情報系学科であったが科目ごとに教科書が指定されていたのを見た覚えがあります。

 

生命現象は情報工学と同等かそれ以上に難解なはずなのに、どうして専門書もろくに読まずに習得したと言えるのでしょうか。自分で書いていて、何を4年間もやっていたのだろうかと情けなく思えてきます。ああ、受験生の時に気づいていたら方向転換して理工学部材料工学科or応用化学科or農芸化学科(仮)にしていたのに...

 

問題点2:講義・実験での負荷が少なく、生命現象の専門家の卵母細胞が育たない

生物系の学部、少なくとも私の学科においては専門科目は期末試験1発勝負のものが多かった。例えば理工系の電気電子工学科では毎週講義課題のレポートがある科目が複数あり、それなりに1科目ごとに負荷がかかっていたように思えました。それに引き換え、わが学科では、毎週課題のある科目は所属した研究室の科目でもある土壌学および環境土壌学だけで、あとは勝手に勉強してね~という放任がされていた気がする。

 

無論講義などでの、私語や居眠りも当然のように発生しており、生命現象の専門家の卵・卵母細胞という自覚があるとは到底言えませんでした。一応擁護すると、低品質な講義への抵抗とも言えなくもないですが。

 

理系学部の定番である学生実験もあったが、ごく一部を除き予習をしなくてもお咎めはなく、実験に関して口頭試問も殆どありませんでした。さらに、実験レポートに関しても再提出を要求する真っ当な教授は皆無で、期間内に提出すれば全員単位取得という緩さでした。

 

このような怠惰な学業生活を3年間も過ごし、大学4年目で卒業研究ということで研究室で選択した分野の生命現象について掘り下げていくことになるのだが、そこでも、誠にお粗末な研究活動が繰り広げられることになったのです。

 

2.「研究」面での問題点

問題点3:研究活動で頭を使わず、スキルもつかない

生物系の学部の研究活動で真っ先にイメージされるのが、「ピペド」です。

 

ピペド(ぴぺど)とは、

ピペット土方またはピペット奴隷の省略で生命科学、特にウェット系の分子生物学や細胞生物学のポスドクや大学院生を揶揄したネットスラングである。

ピペドの問題点は、ピペットを使ってねるねるねるねという単純作業で長時間拘束されるためにスキルが付かないという点にあります。スキルが付きそうなのは、情報系ですかね。プログラミングという時点でバイオのねるねるねるね~より100倍実践的です。

 

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私も、生物系の学部で卒業研究を行い、土壌の研究室に配属されたのだが一部テーマでは土壌微生物の遺伝子を調べるというピペドど真ん中なテーマがあったのでそれだけは必死に回避し、ありついたテーマは稲わら中のリンの動態を調べるテーマにした。

 

そのおかげでピぺドは回避したものの、卒業研究でやったことと言えば「土を容器に入れて培養して、リンを試薬を用いて抽出して吸光光度計で測定」しただけです。他の卒研生はもう少し多様な実験をやっていたとはいえ、他の理系の研究のように機械加工・電気工作・プログラミングなどの汎用的なスキルは何1つ身に尽きませんでした。

 

まあ、卒業研究というか研究活動で身につく技術は社会人での仕事に直結しないことが大半なので技術的なスキルは止むおえないとしよう。

 

さらに、深刻なのは週1回半日かけて開催される「ゼミナール」であった。研究室の所属学生(4年生と後期から3年生と院生)および、教員の全員参加です。この授業は自身の研究に関係のある英語の論文を発表したり、卒業研究・修士研究の進捗報告を他の研究室員の前で行うのであるが、質問が奨励されていたにも関わらず質問は飛び出さず教員がもっぱら質問し、それどころか複数名(学部生だけでなく院生までも!)が居眠りをする有様でした。

 

居眠りに関しては時折、教員が起床するようにという注意をし多少はマシなものの、質問は一向に飛び出さず稀に質問があっても発表者すら理解していない模様です。

 

何故質問が飛び出さず、居眠りが相次いだのか? もちろん、研究生活での疲労という側面はあるが、最大の原因はこれまでに述べたように「生命現象およびその基礎となる自然科学的な知見・解析能力」が入学してから3年間の怠慢のせいで身についてないからと今ならば確信が持てます。

 

本来はゼミナールというのはある専門分野に的を絞って、専門性のブラッシュアップはもちろん、発表者が事前準備で英文を読むことで英語力の向上,プレゼンを行うことで論理的説明能力,質問者は質問力や複雑な事項を即座に理解する理解能力を養うために開講されているはずです。

 

だが、専門性のブラッシュアップ以前に、質問もろくな説明も出来ないのであれば、ゼミナールなど時間の無駄なので取りやめてしまえばいいと思います。教員側も教員側で、このような体たらくに関わらずゼミナールの中止はおろか叱責すら数えるくらいしかなかったように思え、特に学部生が叱責されている場面は見かけなかったように思います。院生で研究の遅れで叱責されているのは何回か見ましたけどね。

 

個人的には、せめて、ゼミナールでおざなりな論文発表を行い居眠りで時間を浪費するくらいなら、研究室の関連科目だけでも基礎的な知識を勉強し直し、それから論文発表に移行するべきかと思う。実際、同じ学科で基礎的な分子生物学を3年生のゼミナールで勉強し直していた研究室はあるのでできない話はないでしょう。タダでさえ三重大学や岐阜大学の農学部(仮)よりも学力的に劣るのだからそれくらいしても罰は当たらないでしょう。

 

他の研究室のゼミナール事情はよく存じないが、シラバスに書いてあるような理想的な目標が達成できるような実態にある研究室は教育面での体たらくからすると多くはないと思われます。シラバス詐欺です。

 

 

3.「就活」面での問題点

これまで述べたように理系ではぶっちぎりに怠惰で、下手すると文系以下かもしれない怠惰な学業生活を4年間続けてきた成果を、他の理工系学生より著しい低い評価という形で現実を見せつけられるのです。就職活動で。

 

問題点4:専門を生かした就職先が少ない

生物系の就職と言えば、専門を生かすとなると化粧品、製薬、食品、農林、環境あたりの技術職が王道ではあるが理工系の電機や機械系の専門を生かせる材料や自動車、電気製品関連の産業より産業規模が小さいことから、技術職の枠が狭いのは良く知られている通りです。それでも旧帝大クラスのバイオ系ならまだそれなりに就職がありますが、地方国立に劣る農学部の学生がそう易々と専門を生かした就職をさせてもらえません。

 

さらに、製薬や食品の技術職と言っても研究や開発、品質管理ならともかく現場よりの生産技術となると生産設備をいじれる機械や電気系の学生が有利となるので想像しているより生物系でないとできないという職場は希少であります。

 

最も、基礎的な学力を付けさせる気のない怠慢な教育システムと学生の怠惰が結託した結果、専門分野すらろくに身についてない学生が多いので、枠が広かろうが専門分野の技術職になど就職できず、運よく就けたとして他の社員から「使えない」と嘲笑されるのがオチでしょう。合掌。

 

 

問題点5:専門外の就職では他の理工系および文系学生に競り負ける

先述したように専門業種への就職は枠が狭いので、必然的に他の理工系学生が進出している分野への就職活動を行うことになるがろくに物理・化学・数学を勉強してないので当然競り負けることになる。これについては、ここまでで何度も説明したので繰り返さない。

 

理工系学生に競り負けるとなると、残るは文系学生と営業や事務といった文系就職の枠を争うことになるが、ここでも文系学生と競り負けることになる。

 

生物系学生は腐っても理系ということで、文系学生よりは勉強するものの、文系就職では元より学力や専門分野は理系就職より重視されず、極論を言えばコミュニケーション能力を始めとした社会人基礎力だけが問われる。

 

社会人基礎力は文理関係なく、コミュニケーション能力だけで言えば文系の方が高いくらいなので理系であるメリットは皆無であう。そればかりか、理系ということで卒業研究のために研究室への拘束時間が発生するので文系学生ほど就職活動に時間を割けず、この点では明確に文系学生より就職活動が不利になってしまいます。私の研究室でも、2015年卒の4年生で就職活動が夏までに終了したのは約半数で、1/3位の学生は冬以降まで内定が無かったという惨状である。

 

終わりに :生物を勉強したくても、生物系学部への進学は避けるべき!

結論として、生物系学部の問題点としては生命現象の基礎である物理・化学科目の履修等の体系的な教育が行われていない点に尽きる。生物系の就職は悲惨であると広く知られているが、怠慢な教育による身から出た錆に過ぎません。

 

もし、この記事を読んだ高校生以下の諸君の中で生物系の学部・学科に進学希望者がいればランクを下げてでも早急に進路変更を勧める。諸君が生物部に所属していて、生物オリンピックに出場できるレベルであってもです。

 

進路変更の候補先としては、就職を最優先するなら工学部の機電系や情報工学をおススメする。機電系や情報工学のアプローチから生物学を研究するをできるのから、高校の延長のような講義でも歯を食いしばってついていくべきでしょう。アルバイトやサークルは授業についていけるまですべきではないですし、勉強一辺倒になってコミュ障になっても就職でお釣りが来るレベルです。

 

さらに就職に特化したいなら、医学部を筆頭とした医療系学部もおススメだが、カリキュラムが専門学校的であり潰しが効かないという弱点もあります。

 

個人的に勧めたいのは、将来の汎用性を考えて理学部の物理学科か化学科です。特に後者は産業界に近い分野で理学系でも就職が良い上、生物学を生化学や有機化学の側面から学べる講義や研究室もあるので生物系の暗記とピペドだけで終わる生活より余程生物学も身につけられると思います。

 

最後に、生物学の知識を大学レベルで身につけたいという諸君向けに数冊専門書を紹介する。これを読めば大学の生物系学部で身につけられる生物学を大学に行かずして概ね習得できるので大学生のみならず、社会人にもおススメします。

 

 

 上のエッセンシャル版はコチラ

 

ま、長々と書いてきたが「生物系学部への進学は4年間という時間と学費を無駄にする」というのが本記事の結論である。

 

 ちなみに既に生物系学部に在籍中の学生は、文系と同じルートでエンジニアを目指すか

文系からエンジニアを目指せ!~機械設計&プログラマーへ就活~ 

学校の怠慢カリキュラムを無視して、物理学や化学の基礎から勉強し直して生物学を取得して、バイオ系の就職枠で戦うか、割り切って学業は卒業だけを考えて文系学生と互角に文系就職で戦うために時間を割くか決めるべきであろう。