ミリシタ初のスポ根物語開幕!という訳で購入して一通り聞いたのでレビューしていきたいと思います。
お品書き
本CDの概要
THE@TER BOOST!なので、登場アイドルは事前に投票で決定されていますがそれ以外はMILLION THE@TER GENERATIONと同じく曲とドラマパートの2部構成となっています。
ビッグバンズバリボー!!!!!
作詞・作曲・編曲:ZAQ
歌:高坂海美(CV.上田麗奈)、所 恵美(CV.藤井ゆきよ)、高山紗代子(CV.駒形友梨)、豊川風花(CV.末柄里恵)、横山奈緒 (CV.渡部優衣)DIAMOND DAYS
作詞:rino 作曲・編曲:高田 暁
歌:高坂海美(CV.上田麗奈)、所 恵美(CV.藤井ゆきよ)、高山紗代子(CV.駒形友梨)、豊川風花(CV.末柄里恵)、横山奈緒 (CV.渡部優衣)…他、ドラマパートを収録予定
リリース情報|アイドルマスター ミリオンライブ! THE IDOLM@STER MILLION LIVE! | Lantis web site
表題曲であるビッグバンズバリボー!!!!!はミリシタで最多ノーツを誇る高難度な曲なので、プレイ時には覚悟が必要ですね(ミリシタはプレイしてないですが)。ドラマパートはOPが7分で本編が43分とMILLION THE@TER GENERATIONこと「MTG」のドラマパートより長めとなっています。
ここら辺は全員参加のMTG(本作発売時ではまだ半数が末登場ですが)より選挙で選ばれたというご褒美?的な意味合いがあるのかなと。
感想というか率直な印象
◎シナリオとしては、王道スポコン+必殺技の応酬という癖のないモノなので抵抗なく受け入れられやすいと感じましたね。
◎悪役ポジションであるのは帝花女学院のキングとクイーンですが、ラストも後味が良かったです。最も、あくまで悪役でもアイドルなので後味悪いとヘイトを集めかねないので妥当でしょう。これがオリキャラなら思いっきり「ざまあみろ」的な後味でいいのでしょうが。
◎海未の演技が前作の線香HANABI団と比べても暗めでした。勿論、声優の体調が悪いなどという訳ではなくシナリオを見てけばなぜ演技が暗いかは容易に分かると思います。
◎スポ根系の話はミリマスでは珍しいですが、アイドル活動そのものがある意味で学外での部活動みたいな側面(特に中高生のアイドルにとっては)も強いので中々やるタイミングが無かったのでしょう。
◎不満点としては本編が43分と長いのに区切りが無いので、電車などでほそ切れに聞きにくいことでしょうか。ここら辺は他のドラマパートみたく前後編にすればよかったと思いますね。
気になった点+考察(ネタバレ注意!)
本作の舞台設定
超ビーチバレーそのもの
基本的なルールはビーチバレーそのものなのですが、ショット1つで吹っ飛ばされて立てなくなった結果救護室へ搬送されるので“エクストリームスポーツ”の1つと言って過言ではないでしょうか。海未と紗代子は小さいころから超ビーチバレーをやっていたことが紗代子から語られますが、これは一体全体子どものやっていいものなのかと聞いた後では思いますね。
海理音(みりおん)高校
ミリオン島,ミリオン商事に続いてミリオン+普通名詞の安易な命名です。前2つと異なり、当て字にしてあるという違いはありますが。高校自体は海辺にあるためか超ビーチバレー部が盛んだった以外に特に特徴がある描写がないので公立高校or私立でもあまり特徴のない高校と思われます。
超ビーチバレー部にしても、2年生である先輩部員の1人である春日未来が超ビーチバレーどころかバレーボールのルールすら知らないことから顧問は不在or幽霊で沙代子が仕切っているのでしょう。
その沙代子も怪我をだましだまし続けていたことや未来がドッジボール部と掛け持ちしていたことも併せてろくに練習できてないと思われます。後述の帝花女学院に弱くなったと言われるのも当然の帰結でしょう
帝花女学院
本シナリオの悪役ポジションかつライバル校で、超ビーチバレーでの強豪校です。OPのビーチバレー狩りからキング,クイーン,ロコ(プチキング)以外にも部員が居るようですがOP以外には姿を見せないことから試合ではキングとクイーン2人だけで戦い抜いているのでしょう。ビーチバレー狩り以外に妨害などの描写は無く、後半の試合でもルールに則って戦っていること、純粋な強豪校でしょう。
登場人物:海理音高校側
海未(新入生)
新入生で一応本作のメインヒロインです。沙代子の妹で2つ離れていて、2人暮らしなのですがなぜ両親と別居なのかは明かされませんでしたね。ずっと地元で育ったことが示唆されているので、超ビーチバレーのために海理音高校を選んで2人暮らしという訳でもないですし本当に謎です。まあ、スポ根ものなので本筋と関係ない両親の描写を省きたかったのがメタ的に考えれば正解でしょう。
役どころは、
かつて姉と共に超ビーチバレーをしていた
→姉にけがをさせて超ビーチバレーを辞める
→一般人(恵美)に実力と楽しそうにやっているのを見出され勧誘
→かつてのトラウマから断るも姉の思いを知る
→大会で目覚めて必殺技を出す
→完全復活+新たなパートナー
というスポ根では王道なところです。演技が普段(少なくとも閃光☆HANABI団)より暗めなのもかつてのトラウマさを表現していると言えますね。必殺技はチャールプ・チーツアという火の鳥な技で恵美がOPの超ビーチバレー狩りでこの技を披露した海未を見た所から全ては始まります。
恵美(同級生)
海未の同級生で、初対面の海未を友達認定するなどコチラは大体いつもの恵美です。超ビーチバレーは未経験ですが、本編ラストの帝花女学院との決戦でも海未をトスできるまでに成長していることからバレーボールは経験者と考えられます。
本話は海未のシナリオが主軸なので隠れがちですが、先述の海未をトスする練習を大会に向けてしたりして、ラストには沙代子から海未のパートナー認定されるされるくらいには実力が上達した典型的な努力型キャラです。
沙代子(先輩)
先輩という役柄で本作の聖人ポジションですが、先輩というよりは海未の姉という側面が強かったですね。沙代子は眼鏡キャラ(ステージでは外しますが)で有名ですが、本編やカードの描写から常に眼鏡を掛けていないと思われます。
チャールプ・チーツアを海未から受けてしまいだましだましプレイを続けてしまっていたので、念願の海未とペアを組めた帝花戦ではついに限界を迎えてしまうという悲劇の人物です。一応療養に専念して復帰したいというラストで希望は見出せますが、高校時代に海未と組んでというのは叶わなさそうです。必殺技は、本編では名前は出てきませんがカードからは“マグネット・レシーブ”らしいです。
未来(部員)
新入生2位だったため、本作では超ビーチバレー部員役として出演しました。高校2年生で海未や恵美の先輩ポジションですが、中身はいつもの未来そのものな上に超ビーチバレーどころか普通のバレーボールのルールすら掛け持ちのドッジボール部とごっちゃなため先輩という印象は皆無です。
なぜ超ビーチバレー部に入ったのか甚だ疑問ですが、沙代子を「沙代子ちゃん先輩」と呼ぶくらいなので知り合いで、帝花の超ビーチバレー狩りで退部してしまって困っていた沙代子を助けるために人数合わせに入ったという可能性が高そうですが… 基本的にサブキャラという印象ですが、あまり出しゃばりすぎても1位で出演しているキャラが食われてしまい投票の意義が薄れるので妥当でしょう。
登場人物:帝花女学院側
キング(風花)
本作のラスボスポジションで、絶対王者です。この手の絶対王者にありがちですが、張り合いのある相手がいないことから虚無感を漂わせる描写があり
「今年の夏もつまらない夏になりそうね」
という言葉も吐きました。最終的にはクイーンが退場し、1人で必殺技「グラビティ・ボール」(重力系技で嵐が起こる)で海未&恵美コンビを苦しめましたが相手の新必殺技で敗北するというラスボス的な負け方をしました。「グラビティ・ボール」なのは、風花は巨乳だからでしょうか
敗北後にキング失格と落ち込みましたが、慕っていたクイーンとロコがキングを励まし「再び勝利を目指して」再出発という敗北した敵役としては最高に後味のいい終わり方なので、2次創作で帝花VS海理音のリターンマッチ的な作品が今後出てくるかもしれません。
クイーン(おそらく奈緒)
口が悪く、本編の冒頭で超ビーチバレー狩りに失敗したロコを糾弾していたことから態度も悪そうですが、話が進むとキング(風花)の隣に立ちたいという感情が強かったことが頷けます。
中盤(ビーチバレー狩り第2回)でキングとクイーンで海未&恵美ペアを撃破した後で、腕が腫れるくらいのショットを打った海未をキングが気にかけているというのが示唆されるシーンでクイーンが
「他の子を見たらいやや...」
と嫉妬する言葉を吐き、ここだけ見たらクイーンがキングに同性愛的な感情を持っていることが推測できます。後は、大会で撃破されて退場直前に倒れているシーンも推測の材料ですね。最もラストでは、ロコと一緒にキングについていきますということで終わっているので真相は謎ですが…
ちなみに必殺技は、“バーニング・オクトパス” とそのままなネーミングとなっています。
プチキング(ロコ)
OPで超ビーチバレー狩りに失敗した挙句クイーンに糾弾された出落ち感が強く、キング役2位なのでプチキングなのにキングの威厳などまるでありません。ロコらしいと言えばロコらしいのですが、キング1位だったら今回のようなシナリオだと性格がオリジナルから大幅改変されてロコの声をした別人になりそうです。必殺技は、ロコナイズドエクスプローションアタックというカタカナなワードです。
総評
スポ根の王道で、悪役に相当するキングやクイーンにもヘイトを集めることなくアイドルの魅力(あくまでドラマ内のものですが)を描写出来ているのでアイドル物のシナリオとしては十分に良かったと言えるでしょう。この出来ならば残りのTHE@TER BOOST!シリーズである3姉妹カフェと、劇場サスペンスも率直に楽しみですね。