スマートフォン向けアプリゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」のCDシリーズ「MILLION THE@TER GENERATION」のCDドラマパートを分析&考察していきたいと思います。また、「MILLION THE@TER GENERATION」の間に行われた「THE@TER BOOST!」シリーズについても同時に分析&考察していきます。
お品書き
MTGシリーズの作品の方向性をマトリックスで分析
「MILLION THE@TER GENERATION」にはスマートフォンアプリゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」のイベント内で使われた曲とそれと連動するCDドラマパート(01,11を除く。02~04は属性全体の曲なので今回は考察から除外)が付いてきます。
それらのドラマパートは恋愛や冒険など様々なテーマを現代,宇宙といった様々な舞台で繰り広げられていますが一通りドラマパートを聞き、考察記事も書いてみた所で作品の方向性に一定の傾向があると思いました。傾向としてはいくつもの分類が出来ますが、色々考えてみた結果CDドラマの舞台が現代か否か,CDドラマの結末がGoodエンドがBadエンドがの2つの軸で分類して分析してみることにしました。
その分析,分類の結果が下のマトリックス(STAR ELEMENTSの考察記事が完成し次第アップデートします)です。なお見て分かる通り、 「MILLION THE@TER GENERATION」だけでなくその途中に行われた「THE@TER BOOST!」シリーズのドラマCDに関しても併せて分析を行っております。
マトリックスの図は縦軸が、CDドラマの結末がGoodかBadのどちらかで分類したものです(無論私がドラマCDを聞いてみた主観です)真ん中よりも上にある作品は上に行けば行くほど終わり方が大団円となっています。逆に縦軸は真ん中より下の作品は、死者が出るかそれに準じた結末を取る作品となっています。
実際に縦軸を見てみると多くの作品で、真ん中より上にあるので基本的にはGood endで終わるといっていいでしょうか。アイマスに限らずキャラ萌えの要素もある作品のドラマCDでBad endは一歩間違えると炎上しかねませんからね。
一方の横軸は、ドラマCDの舞台の世界観が現代日本(に近い)であるか過去・未来や異世界といった非現代であるかで分類しており、横軸が右であるほど現実日本に近く左であればあるほど架空世界要素が大きくなります。 こちらに関しては現代作品と非現代の作品は半々ぐらいなので、単純にテーマによって現代or非現代かが決まってくる感じですね。
縦軸について詳細の分析:Good end or Bad end
縦軸を見るとGood endが多く、Bad endは数少ないことが分かります。その理由としては先述の通り、キャラ萌えものの側面を持つアイマスでBad endは鬱展開,キャラクター下げは批判→炎上の可能性がありそれは避けたいからでしょう。その割にフェアリードラマでは「月曜日のクリームソーダ」を除いて死人が(過去描写も含めて)出ているのですけどね…
しかも「月曜日のクリームソーダ」も本来はピーチが死ぬ展開だったらしいので、その展開のままなら場合によっては「月曜日のクリームソーダ」もBad end寄りに分析していたかもしれませんね。
MTGのドラマでだいたいfairyは誰か死ぬ説を覆したのがJPBらしい笑
— たってい@Aqours5th (@north_fgo) May 4, 2019
けーしゃま曰く脚本の人がもう誰も殺したくねぇ!であのドラマになったそう
本当はピーチが爆発に巻き込まれてお亡くなりになってそれを助ける?みたいな感じだったらしい
Bad Endについて考える
さて、Bad endよりの軸として分類した作品ですが一番下の方の2つ「昏き星、遠い月」と「ラスト・アクトレス」では本編中で人が死にます。それも死体役のキャラ(ラスト・アクトレスでいうP)だけでなく、メイン登場人物(表題曲歌唱メンバー)すら死にますし結末も追っ手に追われたり(「昏き星、遠い月」)、メインも含む数人を殺害した主演女優が自首を勧めた探偵の目の前で自〇(「ラスト・アクトレス」)したりと救いがありません。
感想記事はコチラ
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もう1つBad endよりに分類した作品としては、「だってあなたはプリンセス」がありますがコチラは明確な死でない(あなたは私、私はあなたですから)もののもう一人のシャルロットであるシャーロットが消える描写があります。
最も、義母との和解という転機がある上、消えること自体も和解という伏線からの「仕方のない事でもある」ということで不条理さというよりは切なさ(性的な意味ではありません)を漂わせます。なのでBad Endよりに括りはしましたが先の2作品と異なり救いのないBad end感はなく、どちらかというとBitter end的な余韻がありましたね。
Good Endとひとくくりにしたが…
上のマトリックスを見ればわかる通り、ほとんどの作品がGood Endよりになっています。ですが、その中でも、完全に縦軸が上に来ている作品と中央付近に近い作品があります。前者の例としては「虹色letters」や「ハーモニクス」を挙げ、後者の例としては「月曜日のクリームソーダ」を挙げたいと思います。
前者の終わり方としては、友人同士の再開からの抱擁だったり音楽ユニットとして充実している様子だったりと大団円で終わっていて続編の余地がないあるいは不要な作品です。この手の作品で続編をやると、「蛇足」と言われたりします。
後者の終わり方として挙げた「月曜日のクリームソーダ」ですが、終わり方そのものは公演の準備をしつつ未来に連れてきたピーチが笑顔になっているポスターを見せようとする場面なので大団円といえなくもありません。
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ですが、この作品ではピーチを未来に連れてくるきっかけとなる「テアトル・ミリオン」の衰退がヒビキ(≒過去の世界ではㇾゾ)が過去の反映していた「ミリオンダラー・シアター」から看板歌手を連れてきたからという推測ができることから根本的な解決になっていないのでは?という疑問が残ります。そのため、終わり方自体は良くても純粋なGood endではなく縦軸の中間よりにしました。
残りの中間よりの作品についてですが、「ハルマチ女子」は茜が千鶴にふられるという点ではれっきとしたBad endですが、続き物であると明言されている上に本編中でも3人が昴に興味を持ち始めるという新展開で幕を閉じているのでドラマCDの部分単体ではGood Badどちらとも判断できないですね。
5月末に発売された「Episode. Tiara」ですが、こちらは発売前からの予想通り天羽光駆(春日未来),神崎水桜(矢吹可奈),草薙星蘭(田中琴葉)の対立関係が元でシナリオが進みさながら「アイドル三国志」状態でした。EDでも3人ともアイドルに選ばれるも、和解などの描写は見られる3人がそれぞれ対立状況は変わりません。というか高林社長自身が対立関係を利用して売り出そうとしている節もありますしね。
3人はユニット「STAR ELEMENTS」を結成するも、そこで抜きん出ないとソロ活動はできないというもう2ラウンドありそうな不穏な状況です。3人とも第1目標で得あるアイドルデビューこそ果たせましたが、とてもGood Endとは言えません。
「 ZETTAI × BREAK!! トゥインクルリズム」は敵を倒して洗脳された育の友人ひなたを元に戻してGood endですが、悪の組織 ギョーカイジンはまだまだ暗躍するのでこのような評価にしました。単体ならもっとGood end寄りにしていますね。
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世界観の違い~現代か非現代か~
マトリックス横軸は、現代日本(と思われる)を舞台にしていれば右寄りに、明らかに現代日本ではない過去や未来の世界を舞台にしていれば左寄りとなります。右寄りの作品としては、「ハーモニクス」や「ハルマチ女子」,左寄りの作品としては「Melty Fantasia」や「昏き星、遠い月」が代表的です。縦軸と比べればCDドラマを聞けば一目瞭然で世界観は分かりますので、そこまで考察することはありません。
とはいえ、中間付近の作品である「ZETTAI × BREAK!! トゥインクルリズム」や「ビックバンズバリボー!!!!!」では現実的な世界観に作品の根幹を構成する異世界要素(ギョーカイジン,超ビーチバレー)が混ざっているのが大きな特徴となりますね。
MTG,TBシリーズの主題について分類してみる!
次はMTGシリーズとTBシリーズの主題というかドラマパートのメインテーマを思いっきり主観で分類していきたいと思います。
恋愛:「ハルマチ女子」(恋に恋している),「花盛りweek end✿」(物語のような恋),「オーディナリークローバー」
友情:「虹色letters」,「ピコピコIIKO! インベーダー」,「ビックバンズバリボー!!!!!」(スポ根の皮を被った友情物語と感じる)
成長:「だってあなたはプリンセス」(和解),「ZETTAI × BREAK!! トゥインクルリズム」(戦う理由)
夢:「ハーモニクス」(音楽),「咲くは浮世の君花火」(スクールアイドル),「月曜日のクリームソーダ」(演劇) 「Episode. Tiara」(プロのアイドル)
希望:「Melty Fantasia」,「昏き星、遠い月」
狂気?:「ラスト・アクトレス」
と、分類してみただけで「ラスト・アクトレス」の特異性が目立ちますね。むろんこれは、主観的なものですが。というか、「ラスト・アクトレス」を単純に分類するのが困難だけだったのですが…
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ただ、同じテーマに便宜的に分類したものでも内実は大きく異なったりしています。
「恋愛」をテーマにしていても…
例えば、今回同じ「恋愛」というテーマでも「花盛りweek end✿」では実際に彼氏が出来たり既に彼氏がいて捨てられるといった生々しい描写があるのに対し、「ハルマチ女子」では生々しさよりも理想のタイプといった「恋に恋する」といった幼さが残る描写が見受けらるといった違いが見受けられました。
この場合の違いとしては大きな理由が年齢的なものですが、他の作品間で比べても同じようなテーマでも全く展開が異なり聞いていて飽きることがありませんでした。
アイドル物なのにギスギスか団結、こんなに違う!
この2作品間以上に作風の違いとして顕著なのは、同じ「アイドル」をテーマにしている「咲くは浮世の君花火」と「Episode. Tiara」です。「咲くは浮世の君花火」は夏祭りでのご当地アイドルユニット「閃光☆HANABI団」の披露のために団結してレッスンや準備に取り掛かるのに対し、「Episode. Tiara」では水桜が他の参加者の妨害をしたり星蘭がオーディションの辞退を迫ったりと団結とは真逆でむしろギスギスな対立です。ニコニコ大百科の解説にも、
「昏き星、遠い月」と並んで主演を務めるユニットの中で対立関係があり、設定上もアイドルユニットにもかかわらず特に役柄同士の仲が悪い。イベントコミュでは可奈や琴葉(の役柄)と対立する演技に対する未来の苦悩が主体になっている
と堂々と書かれていますからね。
他の作品については詳しくは分析しないですが、テーマだけで安易にこういう作品と捉えるのは危険な気でしょう。やはりCDを購入して(i Tunes等の配信では曲しか聞けないので×)、ドラマパートを一通り聞いていかないとどういう作品かは分かりません。
まだ、MTGとTBシリーズのCDを購入していない作品がある方はCDを是非購入して曲だけではなくドラマパートを聞いてください!
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「THE@TER BOOST!」シリーズ