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感想:THE@TER GENERATION 15 Jelly PoP Beans 「タイムスリップで問題は解決したのか?」

THE@TER GENERATION Fairy組最後のユニットとなりましたね。

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お品書き

 

本CDの概要

THE@TER GENERATION 15 『月曜日のクリームソーダ』の概要はこちらとなります。

01. プロローグ
02. 月曜日のクリームソーダ
作詞:安藤紗々 作曲:原知也 編曲:ラムシーニ
03. ドラマ『BPF~テアトル・ミリオンにて』
04. ドラマ『BPF~ミリオンダラー・シアターにて』
05. ドラマ『Between Past and Future.』
06. I did+I will
作詞:安藤紗々 作曲:anonym、伊藤"三代"タカシ 編曲:anonym
07. ドラマ『BPF~再びテアトル・ミリオンにて』

リリース情報|アイドルマスター ミリオンライブ! THE IDOLM@STER MILLION LIVE! | Lantis web site

 

 今回のドラマのテーマは「タイムスリップ」で、Fairy組のドラマとしては初めて「死」という単語が出てこない展開となり、表題曲の「月曜日のクリームソーダ」も明るめの展開となります。なので話も明るいのかというと...

 

考察(ネタバレ有り)

シナリオの概略について

本ドラマのシナリオは事前に予想していた人も多いでしょうが、タイムスリップものです。

 

シナリオの概略をまとめてみると

 売れない劇団「テアトル・ミリオン」に所属する裏方であるスー(昴)とロコが不本意な境遇をやや嘆きつつ劇場の仕事をしている中、アニー(歩)というダンサーが劇団に入りたいと現れた。支配人ヒビキの目にも止まり、即決で採用になったもののアニーが「あがり症」のせいでこれまで実力を発揮できなかったと悩みをロコに相談する。

 

 そんな状況の中、舞台のリハーサル中に火薬事故で吹っ飛ばされ意識を失う3人が起きると過去の世界に転移したのだった。さらに過去の世界で「ミリオンダラー・シアター」という「テアトル・ミリオン」とは比べ物にならない程、豪華で裕福な劇場を見つけ、そこで未来に帰る手段が見つかるまでお世話になることに。

 

 3人はヒビキそっくりな支配人レゾからは「ミリオンダラー・シアター」の看板歌手で舞台以外では決して笑わず人と関わろうとしないピーチ(桃子)の世話を頼まれ、何とか笑わせようと奮闘する。最初は興味を示さなかったが、3人がそれぞれの特技を生かしてピーチに接していくことで少しづつピーチの心も開いていった。ピーチとも馴染み、アートやダンスが認められて過去の方が良い時代であると感じ始めた中「未来につながる」穴が事故で開き、未来に帰ることを躊躇いそうになるもののロコがこの時代に逃げ込んではいけないと、別れたくないと号泣したピーチを連れて未来に帰ることに。

 

しかし、過去の人物であるピーチを連れていったため4人は時のはざまに漂流してしまう。そこで支配人であるヒビキが現れ、「過去へ3人が遷移したのはピーチを「テアトル・ミリオン」の看板として連れてくる」ためにヒビキが仕組んだことであることを語る。そのうえでヒビキはこれからどうしたいか、アーティストとしてロコに選択を迫る。そこでロコはピーチがたくさん笑っていられる未来を選んだ。「テアトル・ミリオン」に戻ったロコ達4人は次の公演の準備に取り掛かり、ロコが描いたピーチの笑顔のポスターを他の皆に見せ話は終わる。

 というあらすじ(というには要約できてないですが)となっており、最後は桃子ことピーチの笑顔が見られるようになり他の3人も明るい方向に向かっていくといういわゆる「ハッピーエンド」的な締め方で終わっています。

 

 確かに、 夜想令嬢のように煮え切らないような終わり方よりは余程良かったです。それと、本ドラマはアイドルの個性もシナリオに盛り込まれていたのでドラマパートとしては良作の部類には入るといえるでしょう。もっともユニットによってはアイドルの個性を消すような構成に意図的にしているしかし本当に「ハッピーエンド」なのか?というといささか疑問が残りました。

 

疑問:ピーチを未来に連れてきたから「ミリオンダラー・シアター」が衰退したのでは?

 ドラマCDを一通り聞いた後に思い浮かんだ感想という名の疑問は上の見出しの通りです。まず冒頭(ロコ達が過去に飛ばされる前)の「テアトル・ミリオン」は貧乏劇団で人手不足のため、裏方であるスーやロコが端役で舞台に立たないといけない状況でした。

 

 一方、過去の「テアトル・ミリオン」と思われる「ミリオンダラー・シアター」はあらすじにもある通り非常に裕福な劇場で看板歌手であるピーチまでいます。本ドラマ中の「テアトル・ミリオン」の経営者であるヒビキはロコ達を過去に飛ばしたのは経営再建のためにピーチを連れてくるのが目的と語っておりましたが、まさにその行いこそが「ミリオンダラー・シアター」が「テアトル・ミリオン」へと落ちぶれた要因なのでは?と個人的には思えてきます。

 

 なぜなら看板歌手がいなくなったは「ミリオンダラー・シアター」興行成績が落ちていくことが目に見えているからです。そうなると、劇中で描かれたような裕福な待遇は維持できなくなり落ちぶれていく可能性は高いです。「テアトル・ミリオン」が落ちぶれた理由としては、時代の変化で街の活気自体が無くなったからというような描写もありましたが仮に「ミリオンダラー・シアター」の時代の街の活気が継続していても劇場は落ちぶれていたのでは?という疑念はあります。最もこの手の疑問はタイムパラドックス物の宿命なので、読者の想像にお任せ…となるのでしょうが。

 

 タイムパラドックスを抜きにしても過去の看板歌手の引き抜きという「資産を食いつぶそうとする」支配人の態度こそ、劇場衰退の主犯として疑問視されるでしょうが…

 

登場人物について

タイムパラドックスの件はさて置いて、登場人物について評価をしてみたいと思います。今回のドラマパートの登場人物は概して、原作アイドルの性格や特技が作中に反映されていたのが評価点といえます(ドラマパートによっては声優が同じだけの中身が別物の作品もあったので。)

 

ロコ(ロコないし伴田路子)

 本作の事実上の主人公(明言はされてないですが)で作中では「テアトル・ミリオン」のデザイナーとして登場します。原作に忠実な性格で、アートが前衛的過ぎて中々一般からは評価されない点も原作のロコに忠実です。

 

 劇中では、過去では一転してアートが評価されるものの未来へつながる穴が出来た際には「この時代(過去)に逃げ込んではいけない」と未来へ帰ることを決断したり、終盤で時流の狭間に4人で漂った際にヒビキからアーティストとして「時流を作るべく」決断を迫られた際にはピーチ(周防桃子)と一緒に笑っていられる未来を選ぶといった物語上の重要なターニングポイントで決断をする役柄を果たします。

 

もちろんアーティストそのものの側面も非常に物語中で役に立っており、ピーチが笑顔になった最大のきっかけはやはり「絵」といっていいでしょう。

 

スー(永吉昴)

  MGTシリーズ3回目の登場にして、ついにメインクラスとしての登場です。今回の役柄としては、劇場の裏方だけれど本当は舞台監督志望という立ち位置で。役者志望ではない理由として、自信の無さという側面があり、舞台監督という夢に対しても自信の無さがちらつきます。原作の昴同様に野球が特技でありますが、1人称は「オレ」ではなく「私」であり性格も自信の無さ,特技の無さが強調されるなどロコよりは原作より離れた性格となっています。

 

アニー(舞浜歩)

 あがり症ことで本番が苦手なために、技術があったにもかかわらずストリートでやってきたダンサーです。ダンスが得意なのも本番であがり症なのも原作の歩に沿った設定です。ピーチの笑顔を取り戻すためにダンスを踊るだけでなく一緒に巻き込む点は見せ場があって良かったですし、あがり症が克服できたのは良かったです。

 

ピーチ(周防桃子)

 今回のキーパーソン。「ミリオンダラー・シアター」の看板歌手で過去に他の劇場でトラブルがあったせいでステージ以外では笑顔を見せず殆どしゃべらないという問題を抱えており、彼女の笑顔をロコ達3人が取り戻すことが中盤以降のシナリオの目標となります。

 

 「ステージ以外では笑顔を見せず殆どしゃべらない」という点は、一見すると普段の桃子と対照的なように思えます。ですが原作桃子の「(初期の)ビジネスライクで気が強い性格」も過去の子役時代の経験によって「作られた仮面」と考えると本ドラマのようなピーチの性格も納得で原作設定に忠実といえるでしょう。本ドラマの脚本は表面的なところだけでなく桃子の過去を把握・理解できている人物が作っていると言えるのでしょう。まさかPですかね?

 

レゾ(≒ヒビキ,我那覇響)

本ドラマの全ての始まり。劇場支配人として、(自分の劇場の)過去の看板歌手を連れて何とかするという発想は安易すぎ支配人としての資質を疑わざる得ません。

 

 それこそ看板が欲しければ、某劇団から「新人女優」でも引き抜いてくればいいんですよ。ただし脛に傷どころではなく、サイコパス的な側面がありますが…

 

総評

 概して今回もアイドルの特性がシナリオに反映されていてキャラ物としては合格点だったと言えます。ヒビキの行動には疑問が残りますが…